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2009年11月15日 (日)

過去と未来とゼロの焦点

その日、チェロ教室のあと、先生が不思議な
楽器
を弾いていたので、みんなでしばらく
鑑賞し、なんだか貴族のような気分に浸ったところで、
向かう先は、結局映画館。

だってあらかじめ予習しておいた松本清張の
ゼロの焦点が今日初日なんだから、行かない訳に
いかないじゃないか。

そういえば、この前太宰も生誕100周年とか言っていて、
このゼロの焦点も「松本清張100周年記念」とか
言っているから、つまるところ、太宰と松本清張は
同い年だってことだ。

そして、そんな同い年2名の作品の両方に、
広末涼子が出ているという、この摩訶不思議。
こういうのが運命っていうんだろうか。

なんて思いながら、始まった映画を見始めて20分。
私は気づいた。

この映画の主人公は、実は広末じゃない。
中谷美紀だと。

小説では、広末演じる禎子ばかりに視点が置かれていた、
「ゼロの焦点」であるが、映画では、広末だけでなく、
中谷美紀、木村多江演じる他の2名の女性にも、
それぞれ「焦点」をあてており、3人3様の、戦後の女の
生き様が描かれている。

その中でも、中谷美紀の存在感がすごい。

斜めに黒いハットをかぶり、ストライプのワイドパンツを
スタイリッシュに着こなして、信じられないくらい色白で。

もう出てきたとたん、その時代の人とは思えないくらい、
なにしろ「カッコイイ」のである。
(途中エナメルみたいな服着てるし)

でもそんな「カッコイイ」中谷美紀の暗い過去を、旦那で
あるところの料理の鉄人の人は結婚生活を3年も送っていながら、
何にも知らないのだ。

そしてその「何にも知らない」のは、新婚たった
1週間で旦那が行方不明になってしまった広末も一緒。
前職が何であったかも、結婚する前どんな生活を送って
いたのかも、気づいたら何にも知らない。

そう。結局、愛していても、その人の
過去がすべて分かるなんてことはない

っていうのが、この映画の大きなテーマ。

でも。

過去なんて実は知らなかったとしても、
広末だってたった1週間しか一緒にいなかった旦那を愛して
いたし、旦那もきっと広末を愛していたし、料理の鉄人の人も、
中谷美紀のことを、分かりにくいけども、愛していた。
過去なんて見ずに、未来に向けて歩いていこうとしていた。
それがきっと、「戦後の日本」の強さなのだと思う。
過去は、決して消えるわけではなく、最終的に、それが3人の
女を苦しめるのだとしても。

監督が犬童一心であったからして、予想通り、
「そんなところ写さなくても…」と思うような、グロテスクな
シーンはたくさんあったけども、それを超越するだけの、
女3人の深い深い、重い重い、分厚いドラマであった。

そうして、日本海の海原を見ながら感慨に浸っている私の
耳に流れてきたのは、エンディングテーマの中島みゆき

分厚い。歌声が分厚い。

ああ、女というものは、かくも力強いものなのか。
と、私は最後に中島みゆきの雄たけびを聞きながら
思うのであった。

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2009年10月25日 (日)

畳まない物語

久しぶりに買ったハードカバーの本、
村山由佳の新境地、ダブル・ファンタジーを読んでいて、
とあるフレーズが引っ掛かった。

この話、主人公がトレンディドラマの脚本家なので、いわゆる、
物語の書き方とかそういう話がちらほら見受けられる
のであるが、その中で、

「広げた風呂敷をあえて畳まぬようなもの」
という表現が出てくる。

もの、というのは、この文脈では脚本とか、物語とか
いう意味であるが、この瞬間には、そんなドラマとか
映画とか、はたまた小説とか、あったっけかな?と
考えたがすぐには思いつかなかった。

逆に、「広げた風呂敷をばったばった畳んでゆくもの」なら
比較的すぐ思いつく。

直近のものでいうと、なんといっても「ブザー・ビート」。

あの最終回の「風呂敷の畳み方」といったら、
見ているこちらが呆れてしまうくらいの勢いで、あれは
まるで、公園でフリマやってたらひどい土砂降りがやって
きたときのような、そんな有様であった。

まぁ、人生を永遠に語っていくドラマとか、小説とか、そんなの
あり得ないわけだから、風呂敷はどこかのタイミングで畳んで
いかないといけないのである。

・・・と、思ったのだが、そんなときに、私を戒めるかのように
「広げた風呂敷をあえて畳まぬようなもの」
に出会った。

それが、原作山崎豊子の、「沈まぬ太陽」である。

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著者:山崎 豊子

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実は、山崎豊子を小説で読んだのは初めてである。
(だって、全体的に1冊じゃ終わらないから、家に本がたまって
しまうのですもの)

確かに、この人のドラマはちゃんとした、
「めでたしめでたし」にはならないものばかりなので、
それなりの覚悟はしていたのであるが、それでも
さすがに、最終巻(5巻)の真ん中あたりに来たときに
狼狽してしまった。

こんだけたくさんの問題が同時進行で起こっていると
いうのに、あとこれしかページが残ってないって
どういうことだ、と。

もしや、この状況からこいつは今から風呂敷を
畳み始めるのだろうか、と、極度に狼狽してしまった
私は、小説を読むうえで絶対やっちゃいけない犯罪
にまで手を出してしまう。

それは、最後の1/4を抜かして、とにかく最後の1ページを
読んでしまう、という、いわば「カンニング」みたいな暴挙。

さて、そんな、小説でも5巻もの超大作、しかも
5巻の時間をかけてもまったく「風呂敷を畳む暇のない」
この作品が、映画になるというじゃないか

その上映時間、3.5時間
しかも途中に10分間の休憩をはさむ、という、
日本映画としてはあり得ないほどのボリュームでは
あるが、それでも、逆にいえば、たったの3.5時間で、
この「大風呂敷大作」が語りつくされるのであろうか。

そんな期待と不安がないまぜの中、もちろん私は
上映初日に足を運ぶのだ。

意外にも超小さいスクリーンでの上映となった土曜の夜。

初日の新宿だから、当たり前のように小さいスクリーンは
満席になり、男女そろってやってきている人たちもいるが、
内容が内容だけに、観客たちの雰囲気は、どこかぴりりと
ひきしまっている。

それにしても、全部語りつくすためには、この映画、
どこから始めればよいんだろう。
あ、いや、どこから始めるつもりなんだろう、製作サイドは。

とか思っていたのもつかの間。
あまりにも衝撃的かつ象徴的なシーンからの幕開けで、
こんな長い映画なのに、始まって3分で、私はぼろぼろと
涙を流してしまった

今思えば、3時間半もやるんだから、もう少しゆっくりと
展開してってくれればいいのに
、と、思う。

なにしろ、最初の10分でぼろぼろと泣いてしまったが
ばっかりに、途中でもう涙も枯れ果ててしまって、
まだ前半だというのに、泣いた後特有のけだるさが
漂い始めてしまうのだ。

後半になっても、その勢いは止まることがなく、
汚い男たちの争いはとめどなく巻き起こっていき、
こちらが息も絶え絶えになったところで、物語は
結局何も解決しないまま、あ、いや風呂敷を
最大限に広げたまま」
終わってゆくのだ。

太陽は沈まない。
問題も解決しない。
風呂敷も、畳まれない。

出世をもくろむ男たちの物語は、濁流のように、
きったなく、また重苦しく流れ、その前日、出張して
2時までおじちゃんたちとカラオケしてほとんど
寝ないまま朝東京に帰って来た私は、ほっとほと
疲れ果ててしまい、そのあと飲みに行く気分にもなれず、
ほとんど無言でラーメン食べて、家に帰ってそのままベッドに
引き込まれる。

「あぁ、ブザービート見たい・・・」とぶつぶつと
つぶやきながら。

あ。ダブル・ファンタジーのレビューは、またいつか。
(もう少し大人にならないと語りつくせませんので)

2009年6月27日 (土)

闇の子供たちと移植法改正

たまには、真面目なお話。
(ほんとたまにだな。。。)

6月のある土曜の真夜中。
見る映画もなくなってしまい、しかも外は雨。

というわけで、梅雨の味方、おひとり様DVD
楽しんでいたわけだが。

見ている映画の内容は決して楽しいものではなく、
私はあまりの恐ろしさに戦慄し、泣くこともままならず、
ただただ口をひきつらせてその映像に見入っていた。

といってもホラーじゃない。
私の見ていたのは、どちらかというと淡々と
ドキュメント的に進行する、「闇の子供たち」

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話にはまったく飾り付けもされておらず、淡々と
進行していくのだが、話の中身はかなりディープだ。

この映画が描き出すのは、アジアの貧困層の子供たちの、
おそらく現実。

貧困層の子供たちは、自分以外の家族のため、
日本では大したことのないような金額で売春宿に売られて
ゆき、主に海外からやってくるいわば変態セレブに好きな
ように扱われて、病気にかかれば生きたままゴミ袋に
詰められて捨てられる

そして、病気にかからなくても、体に問題がなくても、
日本の子供の病気を治すため、親が大金をたたけば、
貧困層の子供たちは生きたまま手術台に
乗っけられるのだ

そう。生きたまま
心臓を移植するために。

生きた子の心臓を移植するってことはどういうことか。
そんなこと言いたくもない。

病気で捨てられた姉はゴミ捨て場から無理やり這って
家まで帰ってくるけど家に着いたところで息絶えて、
体は元気な妹は、手術台に乗っけられ。

最後、息絶えた姉を葬るときの母親の後悔の
号泣が、なんとも痛々しかった。

そんな映画を見終わるとすでに朝3時。
でも映画の中身が中身であるだけにうまく
眠れず、寝不足のままなだれこんでしまった
とある平日の朝。

寝ぼけまなこでテレビ見ていた(ってか聞いてた)
私の耳に、飛び込んできたのは、移植法改正
ニュースであった。

もともと、「闇の子供たち」みたいになってしまって
いたのは、日本では15歳以下の子供から移植
してもらっちゃいけない
っていう法律があるからであって、
もし15歳以下の子供だって移植していいってことに
なれば、アジアの貧困層の、生きた子たちから心臓
もらうなんてひどい事態にはならないはずなのだ。

DVDを見て、激しく衝撃を受けていた私は、4つ
案があると聞いて、即座にA案に賛成した。

そういう私みたいな国会議員さんが多かったんだろうか。

審議の進め方の問題で、A案は廃案になるんじゃないか、
っていう、マスコミの大方の予想を激しく無視して、B、C、
D案の説明を聞くまでもなく、その日の国会では即A案が
衆院を通過した。

そうだよな、どう考えてもA案だよな。
これで闇の子供たちはいなくなるんだよな。
よかったよかった。

っていう私の考えは、あまりにもありきたりかつ急ぎすぎ
だったんじゃなかろうか、って気づいたのは、翌日の朝のこと。

インタビューに答えていたのは、脳死状態になっている
自分の子供を何年も面倒見ているお母さん。

お母さんは言うのだ。
「うちの子は心臓動いてるのに、死んだって言えるのか」
「死んでないのに移植するのか」
って。

死んでないのに移植するのか、っていうのは、
私がDVD見ながら思ったこととまったく一緒じゃないか。。。

死ぬってどういうことなのか。
そこまで全然考えてなかった私は、すがすがしい
はずの金曜の朝、解けない疑問になんだか追いつめられる
ような気分になったのだった。

そうしてとりあえず衆院を通過したA案は来週参院の
議題にあげられるわけだが、さてどうなるんであろうか。

さて、私は、参院に入る前のこのタイミングで、
同じく子供の移植禁止という闇を違う視点で描いた、
野沢尚の「リミット」でも、読み返してみようか、と
思ったりしている。

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言っておくが、こっちも、その辺のホラーより、
全然恐ろしいので、こういう映画や本は、きちんと
覚悟決めてから見たり読んだりしたほうがいいよ。

2009年6月 4日 (木)

おひとり様重力ピエロ

どんより日曜日。
急に降ってきた大雨の中、めがねにすっぴんで、
私はとぼとぼと映画館にむかった。

歩いて20分の映画館まで、雨とめがねが
気になってずーっとうつむき加減で歩いて
行くと、気分はどんより、ズボンはびしょぬれ。

それでも、この映画は見たかったんだよね。

本を読んだのはもう3年も前のことだったんじゃ
なかろうか。

あのときはまさか映画になろうとは思わなかったけど、
今や、なんだって実写化される時代なんだなぁと
思う。

さて、お話の中身は、

泉水と春の仲良し兄弟は、実は半分しか
血がつながっていない。
それは、お母さんの浮気とか、連れ子とか、
そういうありきたりな理由じゃなくて、とある

衝撃的な事情によるもの。
そんな2人が大人になったころ、彼らの住む
エリアでは
不審火事件が続発するのだが、
それが、実は
「衝撃的な事情」と複雑に
絡み合って。

って感じなのだが、これじゃ全然分からないよね。。

こういう解説をしちゃうと、どうしてもサスペンス的な
お話に見えちゃうし、小説もどちらかというと謎解き
的な要素が強いのだが、映画はもうちょっと
「ファミリーのあり方」に焦点をおいて
いたような気がする。
(意外にすぐに謎は解けちゃうし、かなり設定をいじくられて
いる感は否めない)

まぁでも、小説の中ではトリックは結構複雑に入り組んで
いるから、2時間で本気でサスペンスに持って行くのは、
現実的には無理があると思われ、だからそれはある意味
仕方ないと思われた。

それにしても、この小説に出てくる男性陣はとても魅力的だ。

心優しきよわっちいお兄ちゃんの泉水。
(私は、どんな人がタイプ?と聞かれると、
即座に「よわっちい人!」と答えてしまう癖がある)

ちょっと暴力的で危険なにおい漂う、それでも
邪悪は絶対に許せない、根っこは優しい春。

(危険なにおいの漂う男にも、実は弱かったりする。
それになんといっても春はイケメンだ。)

そんな中、私が一番好きなのは、お父さんだ。

一見、華もなく、弱々しい印象だが、複雑な事情を
抱えた家族を、その細っちい腕で、目立たないけど
必死で支えていて、その覚悟には頭が下がる。

お父さんの覚悟をよく現しているシーンがある。
「衝撃的な事情」により、春を妊娠した母親が、
妊娠したことを告白するシーン。

===
「母さんから妊娠のことを知らされた時、俺は咄嗟に
相談したんだ」
父がそう言ったことがある。

「相談って誰に」

「神様に」それから、苦い果物を噛み砕くような表情をした。
「笑うだろ」

(中略)

「で、返事はあったわけ」

「あった。声が聞こえた」

(中略)

「俺の頭の中に怒鳴り声が聞こえた」

「神様が怒鳴るとは。何と言ってきたわけ」

「『自分で考えろ!』」

「は?」

「『自分で考えろ!』ってな、そういう声がしたんだ」

私は噴き出した。「無責任にもほどがあるじゃないか」

「だがな、考えてみると、これは神様の有り方としては、
なかなか正しい」

「そうかな」

「おれは即座に決断した。自分で考えたんだ」

====(小説より)

そうして、即座にお父さんは、「産もう」と決断し、
複雑な家族を即座に支えていこうと覚悟する。

分かりやすい優しさをつい求めてしまいがちだけど、
こういう地味で目立たないけど、全部背負ってくれる
覚悟をもった男は素晴らしい、とか思ったりした。
(なかなかいないのよね)

あと、キャストとして魅力的なのは、「夏子さん」
っていう、春のストーカー。

最近、ちょいちょい出てくるけど、この吉高由里子って
いう女優は、出たてのブリグリに似てる顔が私の
好みって言うこともあるけど、存在感がすごい。
あんまり軽々しいトレンディードラマには合わないのかも
しれないが、ちょっと影のある役がすごくいい。

そして、雨の弱くなった帰り道をひたひたと帰りながら
私は思った。

こういう映画は、まさしくおひとりさま用だ、と。

「ファミリーのあり方」がテーマではあるけれども、
家族の事情がほんとに複雑であるために、本気で
家族で見に来ちゃったりした日には、2日くらい
目を合わせられないような気もする。

それに、「衝撃的な事情」が事情なだけに、
カップルで来ても、そのあと夕飯食べながら、
ニッコリ笑って「よかったよねー」とか無邪気に
言えるような話でもない。

そういう意味では、まさしくおひとりさま用ムービー
であると。

いやー、いい選択したなぁ。

と、おひとりさま映画館のあるべき姿にたどり着いた
私は、行きとは違って堂々と胸を張って、ひとり
家路に着くのであった。

あ。あと、余談だが、最近私は春であるところの
岡田将生君に気づけばはまっている。

3月のホノカアボーイといい、今回の
重力ピエロといい。
そして、見逃しちゃったけど、きいちゃんと2人で
やったハルフウェイもとても見たかった。
(あれ、きいちゃんと岡田君って、どっかの月9
同じ組み合わせじゃないか)

でも、どの映画でも、岡田君のキャラクターは
それぞれ全然違って、そんな一貫性のなさ
すごく良い。

・・・ま、でも、ホノカアボーイの岡田君か重力ピエロの
岡田君か、といわれると、迷わず私は重力ピエロだな。

ホノカアボーイの優しいだけで芯のなさそうな男より、
冷たくてそっけないけど一本芯のとおった、ちょっと
危険な空気の男。

そういう男には興味持たれないのが常なんだけど、さ。

2009年1月17日 (土)

外科医という生き物

その夜、なぜか私たちは長野の端っこで
炬燵囲みながら、テレビを見ていた。

テレビの中では、ヤマピーだのガッキーだの、
外科医のフェローとしては明らかに若すぎる
メンツが、電車衝突事故の救助作業を行っていた。

そして、トリアージをしているガッキーに、
救助隊のお兄ちゃんが言ったのだ。

「意識レベル300!」

って。

そして、その時、私はとっさに反応してしまった。

「あー、それはもう駄目だね」

いつもテレビを見ながらテレビに話しかけてしまう、
一人暮らし特有のさみしい癖。

そのとき、口を開いたのは、本日初対面の男。

「・・・そんなこと、よく知ってるね。」

そう。
こいつ、実は外科医である。

私たちは、部屋を見渡してもふつーのはさみは
見当たらないのに、セッシだのメッツェだの、
テレビの中でヤマピーガッキーが使っている
へんてこりんな道具が散乱しているような、
お医者様の卵のお部屋にて、コードブルーを解説付きで
鑑賞、というある意味贅沢な夜を過ごしていたのであった。

で、なんで私が
「意識レベル300はDOA(Dead on arrival)」なんていう
へんてこりんな医療用語を知っていたかって言うと。

・・・買っちゃったんだ。

ここに来る途中の大宮駅で、
「ジェネラル・ルージュの凱旋」を。

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去年の暮れ、本棚の整理をしていたら埃にまみれて
ハウスダスト症候群になり、鼻水涙ジュルジュルで
レッドクリフを鑑賞することになってしまった反省から、
今年はなるたけ本を買わないことを目標にしていたのにも
かかわらず、年明けたった10日で、しかも衝動的に、
早速今年も本を買ってしまった。

志の弱い自分にあきれながら大宮駅で本を開いた時、
私はやっちまったと思った。

これは、もしや一回読んだ本じゃなかろうか。と。

だってまったく一緒だったんだ。
半年前に読んだ、「ナイチンゲールの沈黙」と。

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でも、軽井沢に着いたころ、私は気づいた。

これは、「ナイチンゲール」の裏で起こっていた、
時を同じくしたもう一つの事件であるのだと。

舞台は、「ナイチンゲール」の舞台の小児科の
1つ下のフロアにある、ICU

そこでは、「ナイチンゲール」の水落冴子の
単なるファンであると思われた、天才外科医、
速水先生が救急で運ばれてきた患者を、
次から次へと復活させていく。

そして、問題の「意識レベル300」が運ばれて
来たときも、速水先生は、驚くべき対応で、
意識レベル300から復活させたその時、新幹線は
長野駅に滑り込んだのだった。

だから、初対面の医者と、ちっちゃい炬燵囲んで
お酒飲んでまったりしている間も、頭の片隅には
速水先生がいて、ドラマの中のギバチャンを見ながら、
「あー、速水先生って、こんな感じかな、んー、でも
もうちょっとがっちりしてそうな感じもするよね」
とか、
現実社会から若干離脱気味なのであった。

しっかし。
外科医というものは、一般人には到底理解できない
ものなのだと思う。

それはたとえば、意識レベル300の患者を、
心臓切り開いて直接マッサージして生き返らせちゃう
速水先生
の行動であり、脳に血が詰まって圧迫
されている子どもの頭を、その辺にあったドリルで
穴あけて血を出させるヤマピー
の姿であり。

そして、目の前でお酒飲みすぎで顔真っ赤にしている
この外科医も、そんな常軌を逸していると思われる
ヤマピーの姿を見ながら、「正解だね」と、一般人には
理解できない解説をするのであった。

うーん、理解不能。
難しいなぁ。頭の良い人って。

と思いながら眠りに着いた次の朝。

予想に反して晴天の空の下、スキーに出かけようと思って
乗った外科医の車は田舎道には不釣り合いな超かっこいい
マニュアルのインプレッサ

車のシートは素晴らしく体にジャストフィットする
革張りで、すげーすげーと感激する私たちに
気を良くしたのか、不敵な笑いを向けてきた。

このスイッチがすごいんだよ。

ん?スイッチ?

見ると、ギアの後ろ側に、なんだかぽちっと
押せそうなスイッチが。

なに?ガンダム?
それ押すともしかして足生えてきたりするわけ?

とか茶化したのがいけなかったのだろうか。
突然、その医者はそのスイッチをぽちっと
押した。

その瞬間。

ブオーン

車が、あり得ないほど急に加速し、前からあり得ないほどの
圧がかかって、私たちはシートにへばりつけられた。

一瞬の出来事。

でも、一瞬死んだかと思った。
こんな急に圧がかかったら死ぬだろうと。

ふふふ。
これがやりたくて、この車にしたんだよねー。

・・・医者は、不敵に笑った。

うーん、外科医という生き物は、本当に理解不能だ。

2008年12月11日 (木)

252と螺鈿迷宮のフェロモン比較

「命がけの仕事をしている男性からは、
フェロモンがでてる」
んだそうだ。

ためしに、スタントマンとお笑い芸人のにおいを
女子が嗅いでみる、という実験を、とあるテレビ
番組でやっていたが、その結果は一目瞭然であった。

女子たちは、胸の一部以外を隠された、
まったくどちらか分からない状況で2人のにおいを
かぎ、そして全員が、同じ男性のほうを「スタントマン」
だと言い張った。

違う、匂いというのかなんなのか、もう全然違うんだと。
こっちの人になら、「抱かれてもいい」んだと。

じゃあ。

じゃあこの映画はフェロモン出まくりなんじゃないかと、
映画のスクリーンを見ながら思った。

ボーナスをもらったこの日は全員強制的に定時退社であり、
久しぶりに平日に穏やかな気分で鑑賞した映画。

252-生存者あり-

巨大台風に襲われた新橋駅に閉じ込められた
元レスキュー隊の弟とその娘を、レスキュー隊
隊長の兄と、その仲間の隊員たちが救いだす

というストーリーであるが、そのキャストたちは、
伊藤英明、内野聖陽、山本太郎、杉本哲太など、
「屈強な男たち」を体現したような面々であり、
そんな面々がレスキュー隊という、「命がけの
仕事」
をやっているところを見せつけられるわけ
だから、冒頭の理論からいくと、女子たちはこの状況に
もうメロメロになるはずであって、共演していた
香椎由宇とか桜井幸子とか、そのあたりの数少ない
女子の皆さんが間違いを起こしたというニュースが
1つもないのが不思議なくらいなのだ。

周りのフェロモンに敏感な(?)女子たちは、
私の周りでグスグスと涙を流して、すっかり
この「屈強な男子」たちにメロメロ
わけだが、私はスクリーンを見ながら、冷静に考えていた。

すみれ先生は、こういう男たちにはメロメロに
ならないんじゃないかと。

実は、この映画を鑑賞する直前まで、私はお客さんの
ところに出かけて行く電車の中でも、帰りがけに寄った
本屋の中でも、ずーっと本を読んでいたのだ。

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しかし、残念ながら、物語の最後の数ページを
読み終える前に映画が始まってしまい、私の
頭の中は、すみれ先生がどこに消えちゃったのか
もうそれで頭がいっぱいであり、何を見ても
すみれ先生につなげてしまう、という、それはそれは、
桜宮病院で行われていた治療のように、私を
「すみれ中毒」におぼれさせていたわけであって。

すみれ先生は、最先端の終末期医療で注目を集める
碧翆院桜宮病院の「光」のような存在である。
碧翆院の心療内科で、患者の精神をケアし、不治の
病の患者たちの精神を安定させて、長生きさせる。

そんなすみれ先生が心を奪われてしまっているのは、
このお話の主人公であるところの、天馬大吉クンである。

この天馬クンは、医学部で留年を繰り返す、
落ちこぼれ医学生であり、名前に似合わず不運ばかりを
呼び寄せる「アンラッキー・トルネード」であって、しかも、
いろいろとミッションを与えられた「二重スパイ」なのだが、
そんなだめでよわっちくて不運な男性に、きれいで
攻撃的でそしてわがままで、本人曰く、「昔はろくでなしと
いくじなしにはモテた」
すみれ先生が、なぜか惹かれてしまい、
そしていろんな手を使って「誘惑」する。

すみれ先生曰く、天馬君は、
「捨てられた子犬みたいに、
つい頭を撫でたくなる」
ような存在なんだそうだ。

天馬クン曰く、男というのは、
「勇ましいろくでなしと腰ぬけのいくじなし」のどちらか
しかいないんだというが、252のような男たちは、
女子にどんどん言い寄ってくる、「勇ましいろくでなし」
である。

こういうのにフェロモンを感じる女子は、結構早く幸せを
つかむんだと思う。
だって、積極的に向こうから言い寄ってくるわけだから、
そこをすかさずキャッチすればいいわけだ。

でも、残念ながらすみれ先生みたいな、素晴らしい女子だけど
「ダメんずウォーカー」である場合は、
「腰ぬけのいくじなし」ばかりにフェロモンを感じて
しまうのだが、腰ぬけどもは、追いかけると逃げて行ってしまう
ものだ。
こういう、人間の昔からの原理にあてはまらず、古来からの
フェロモンに反応できなくなってしまった女子たちは、きっと
いつまでも、幸せにはなれない。
現に、すみれ先生は結局幸せにはなれないし。

と、ここまで読んで、ものすごく違和感を感じている読者が
いるんじゃなかろうか。

それって、すみれ先生の話?それとも・・・って。

そりゃそうだ。

知らなかったかもしれないけど、有名な話をすると、
私、りぼんじゃなかったら、「すみれ」って名前を付けられる
ところだったんだ。

だから、螺鈿迷宮の「わがままバイオレット」は、
いわば私の分身。

男の趣味くらい100%一緒だったからって、不思議なことは
全然ないのだ。

螺鈿迷宮 上 (角川文庫)

著者:海堂 尊

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2008年8月23日 (土)

容疑者Xの献身

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著者:東野 圭吾
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ガリレオが、映画になるんだそうな
それはもう、ガリレオドラマ版の1回目が
終了した時点で映画化が決定したんだと
いうから、なんとも気の早い話である。

で、映画になったネタというのが、直木賞受賞作の、
容疑者Xの献身である。

結構、東野圭吾は読んでいるはずなのだが、
なぜか、ガリレオシリーズには手をつけていなかった
私。

ドラマになるまえは、ガリレオシリーズの
存在を知らず(平積みにもなってなかったし)
ドラマになってからは、流行りものを避けるという
本能が働いてしまっていたらしい。

でも、今度は映画化だし、そろそろ真面目に予習を・・・
と思ったかというと、そういうわけでもない。

特にこの作品は、直木賞のおかげで、いろんな
ところで有名になってしまったので、どこか意識的に
避けていたものだし、何より、まだFEがクリアできて
いないのだ

そんなときに、集中して本が読めるだろうか。

でも、ひょんなことから、私の所に本が回ってきた。

「借りた本は1週間以内に返すこと。」
小さい頃に図書館で教わった基本ルールは、
まだ私の中で根強く生きている。

ゲームも終盤に入り、しかも1日1面、というハードルは
以外にサクサク超えられているので、1面クリアしたら
本を読む
、というルールを設定して、読んでみたら、
2日で終わってしまった。

直木賞受賞作として、こればかりがクローズアップされて
いるような気がするが、作品のクオリティは、他の作品と
そんなに大きく変わらないと思う。

最初に、すべてのトリックを読者には与えたような
書き方をしておいて、実は最後に、その何倍も
残酷な事実が待っている

この本を読んでいて、昔読んだ東野圭吾の作品を
思い出した。

レイクサイド レイクサイド

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こっちは刑事物ではないが、死体の処理の仕方がそっくりだし、
直木賞とは行かないまでも、このミスに選ばれて、さらには
これも映画化されている。

レイクサイド マーダーケース DVD レイクサイド マーダーケース

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それに、この話もやっぱり、最後に、予想を何倍も
上回る、残酷な事実が待っているのだ。

さて。
原作を読んでしまったところで、気になるのが、
映画とのギャップである。

最近のギャップでひどかったのは、
なんといっても、チームバチスタである。

もともと、ハードコアなお医者さんたちの、
男くさいストーリーであったのに、なぜか
結子たんが中央に据えられて、しかも、
でぶで胡散臭いはずの官僚さんが、
渋面の阿部ちゃん

映画の中にはなぜか結子たんのソフトボール
シーンまであって、なんだか軽くて、本来の
趣旨とは違う映画に仕上がってしまったのである。

そうして、ガリレオの映画のキャストを見てみる。

まぁガリレオの相手方の刑事さんが柴崎コウに
なっているのは今更しかたないし、ドラマはそれだから
おもしろかったわけなので、もう何も言わないことにして、
映画特有のキャスト(犯人側)に目を向けてみると。

幸薄な弁当屋の店員さんが、松雪泰子
そんな弁当屋さんに惚れる天才数学教師が堤真一

うーん。。。
本を最大限に忠実に再現するのであれば、

店員さんは木村多江
数学教師は伊集院光で行ってほしいと
切に願うわけだが。

あ。ちなみに、映画化記念、ドラマ再放送があるんだってさ。
録画予約しとかなきゃ!

2007年10月19日 (金)

悲劇を喜劇にかえること

日帰り長距離出張の日は、
落ち着いてPCを開くこともできず、
乗り継ぎと移動ばかりで電話もできず、
結局1日無駄にしたような気分になる。

朝の移動時間に寝すぎてしまって、
だいたい夜の移動のときは目が冴えてしまう。

そんな移動中、最近、DSも禁止になりつつある
機内で、本を忘れてしまうと、もうパニックだ。

今日の帰りがまさにそんな感じ。
空港であせってしまった。
これから1時間のフライト、絶対寝れないし、
どうしたらいいんだ。

JALの機内誌はもう前のフライトのときに
読んでしまったし、ラジオも一通り聞いてしまった。

こういうときは、文庫本だ。
多少荷物が増えるのはもう仕方ないよね。

というわけで購入した文庫本。
真っ暗な飛行機で読書灯をつけ、
毛布の下では体育座り
これが読書の基本スタイルだ。
家でも、飛行機でも。

対岸の彼女 (文春文庫 か 32-5)

著者:角田 光代

対岸の彼女 (文春文庫 か 32-5)

出てくるのは、一人の主婦だ。
公園のママさんつながりにも加入することができず、
自分とそっくりで友達ができない娘にがっかりし、
自分にはまったく興味を持たないマザコンだんなに
あきれる。

そんな主婦が、仕事を始める。
女社長率いる、女だらけの小さな会社。

そこで、主婦は、だんだんと自分の居場所、
共有できる仲間を見つけていく。。。

っていう話は、まだ途中までしか読んでないんだけどさ。

でも、ここで働いている女たちは
「悲劇を喜劇に変える」のだ。

仕事がすんごく肉体的にきつかったら甘いものが
食べたいから、「甘5」、逆に、精神的にむかむかしたら、
「辛5」。

そうやって、自分のきつさを甘辛で茶化しながら、
喜劇に変えていく。

そういえば、私の周りの方々には、
「悲劇を喜劇に変える」力のある人が多い気がする。

仕事がきつい。
そんなの、もう当たり前だ。
一昨日だって、「そこの職場は会社内で一番
肌に悪いから気をつけろよ」
って、おじ様に
警告されてしまった。

そして、別に、きついのはこの職場だけではない。
どこに行ったって、簡単だなんて思ったことはない。
精神的につらいのか、肉体的になのか、両方なのか。
違うのはそのくらいだろう。

でも、入社当時から、私の周りの、
私より絶対に仕事がきつかったであろうおじ様たちは、
真夜中から飲み始めて、今日の反省会等やりながら、
でも、自分の失敗をどこか面白そうに話す。
朝方まで。

そして、その傾向は、当時のおじ様たちだけではない。
うちの同期も明らかに似たような感じに成長している。
(うれしいような、悲しいような)

昨日飲んでるときだって、
仕事のことみんなでワーワー愚痴りながら、
それでもみんな、どこか楽しそうなのだ。

そして、昨日見損ねた「働きマン」を1日遅れで
復習していても、やっぱり、みんなつらそうだけど、
ちょっとそれを面白おかしく語ってしまう。
(ちょっとカメラ目線が多すぎないか、という欠点はあるが)

そっか。
最近のきっついサラリーマンに大事なのは、
きっとこの能力なのね。
「悲劇を喜劇に変える」能力。

つらいことでもちょっと面白そうに語れば、
自分だって気がまぎれるし、周りも笑って聞き流せる。

そんな人に恵まれているせいか、
「悲劇を増幅させる」人を見ると、最近どうも
いらいらしてしまう。

つらいのは、分かる。
忙しいのも、分かる。

でも、それを、悲劇のままで周りに
見せてはならないと思うのだ。

だって、別に自分だけじゃないじゃない。
つらいのは。

ちょっと周りを見れば分かることじゃない。
毎日終電の人もいる。
休日もやってくる人もいる。
きったない仕事やらされてる人もいる。
自分に非がないのに客に冷たくあしらわれる
人もいる。

それでも、そういう人たちは、なんとなく、
へらへら笑って、「今日もだめだったな!」って
話すんだ。

そのへらへらを、表面的にだけ受け取って、
軽いやつだと理解するのは、甘いと思うのだ。
そういう話を聞いたら、そいつは発散したい、
ってことは飲みたいのであって、ちょっと酒でも
はさみながら一緒にへらへら笑ってあげるのが、
礼儀ってもんだろう。

そういう大人のマナーが分からない若者が増えているのだな。
その典型的な例が、いわゆる働きマンのもこみちなのだな。

やべ。
話がまとまらなくなってきた。

いや、だから、「肌に悪いよ」っておじ様に言われた
時の私の応対は、大人のマナー的には間違って
いないはず。

「そんな、おじ様、大丈夫ですよ。
最近美顔機、買っちゃいましたから☆」

ってさ。

さて、美顔機で肌をケアしてから寝るか。

2007年9月22日 (土)

真夜中の5分前

って、今はもう真夜中だけども、そういうんじゃなくて。

本多孝好を初めて読んだのは、1年ちょっと前。
やっぱり夏だった。

なんでその本にたどり着いたかって、たぶんそれは、
その文庫本の表紙の絵が、なんとなくさわやかなんだけど
寂しげで、そのちょっと涼しい感じが夏っぽくて、それで
買ったんだと思う。

FINE DAYS (祥伝社文庫)

FINE DAYS (祥伝社文庫)

著者:本多 孝好

FINE DAYS (祥伝社文庫)

その本は、4つのショートストーリーから
なっているのだが、どのストーリーの主人公も、
だいたい20代の、ようは子供から大人になる
過渡期の男子たち。

で、その男子たちは、一様に客観的で、あまり
自分がその物語の渦中にいることを好まず、
だからこそかなりクールで、ちょっと斜めな目線で
世の中を見ている。

その「斜め」は、たとえばもてない自分を哀れんで
恋愛に後ろ向き、とかそういうんじゃなくて、なんというか、
人生そのものにちょっと疲れた感じのかなり深刻な
「斜め」なのだ。

本来、私はこういう斜めな男子はあまり好きではないのだが、
話がリアルとファンタジーの間を行き来している間に、
この斜めな感じがいきなり崩れる瞬間がある。

その瞬間が、なんとも泣けるのだ。

そして、話は最後にまた、何事もなかったかのような
クールさを取り戻して終わっていくんだけど、その憂いが、
またすばらしい。

毎年、人気のある作家を寄り集めて出版している
文庫本がある。

I LOVE YOU (祥伝社文庫 ん 1-42)

I LOVE YOU (祥伝社文庫 ん 1-42)

著者:伊坂 幸太郎

I LOVE YOU (祥伝社文庫 ん 1-42)

毎年、かなりありきたりなタイトルで出版されるのだが、
今年も、I love youという、なんともありきたりで検索
しにくいタイトルだった。

その中には、伊坂幸太郎だったり、石田衣良だったり、
はたまた市川拓司だったり、聞けば即代表作が
思い浮かぶような作家ばかりの作品が詰まっていたが、
最後につづられる本多孝好の作品は、やはり秀逸だった。
(あ。今気づいたんだが、私と石田衣良は誕生日が一緒)

それは、男女の別れの風景を描いた作品で、
思い出話などしながら、二人は最後の食事をするわけだけど、
店を出るときに、ふと彼女が時々しかつけない香水
香りに気づいて、やっぱりその冷静な男性の中の、何かが
崩れるわけだ。

その情景は、本当に、話の最後の2ページくらいに
集約されてしまうのだけど、その2ページに、読む人は、
(というか私は)これ以上ないほど切なくなってしまうのだ。

そんなこんなで、一番最近私が出会った本多孝好が、
真夜中の5分前

真夜中の五分前 side-A (1) (新潮文庫 ほ 18-1)

真夜中の五分前 side-A (1) (新潮文庫 ほ 18-1)

著者:本多 孝好

真夜中の五分前 side-A (1) (新潮文庫 ほ 18-1)

ショートストーリーが主流の彼の作品には珍しく、
(すんごい薄いけども)一応2冊セットの作品だ。

恋人をなくしたことにより、時間が止まってしまった
男が、新しく現れた女性の力を借りて、過去を
忘れて再び目覚めるところまでがSide-A

しかし、その幸せはすぐにどこかに行ってしまい、
また時間が止まってしまった男が、過去は過去として
消化し、もう一度、今度は自分の力で時間を
動かし始めるのが、Side-B

やっぱり圧巻は、Side-Bの最後の30ページだ。

思い出の場所にやっとこさたどり着いた男が、
昔の恋人を思い出して、できることなら、再会して、
今の自分をどう思うか聞いてみたいと切望し、
それが絶対に実現しない現実に途方にくれる。

確かに、と思う。
長い時間を歩いてきた中で、人間は、自分でも気づかない
うちに、変わってしまうのだと思う。
だから、人生のある時期、一番自分のことをちゃんと
見ていてくれた人に、あのときの私の生きがいとか、
ポリシーとかを、私以上にきっと分かってくれて
いた人に、今の自分をきちんと評価してほしい。

自分ひとりで自分のことを判断して歩いていけるほど、
そんなに強くは生きられないから。

・・・そうして、途方にくれたあとで、彼は、横道にそれて
しまっていた自分の歩く道を、ちょっとだけ修正して
前に進んでいく。

・・・・・・
そのシーンばかりを、1日3回も読み直して、電車の中で
涙をにじませる私がいた。

だめだめ。
帰りの電車であれば、ファンタジーの中に迷い込むのは
ありだけど、行きの電車で迷い込んだら仕事できなく
なっちゃうってば。

私はとりあえず、ファンタジーより目の前の現実に
向き合うことを覚えないといけない。

2007年8月26日 (日)

ROUGH

あれは、もう3ヶ月ほども前の担当の飲み会。
OJTに2週間だけうちの担当に来た新入社員君の
歓迎会だったと思う。

歓迎会だというのに、またしても管理者ゼロで、
例のごとく無法地帯で盛り上がっていたわけだが、
最近の若者はシャイなのか、好きな女子のタイプを
聞いても、なかなか出てこない。

どうやら、あまりテレビは見ないらしいが、漫画は
よく読んでいる読書青年らしい。
しかも、あだち充とかが好きだというので、
ある質問を投げかけてみることにした。

「じゃあ、春華ちゃんひかりちゃんだったら、
どっち派なのさ」

春華ちゃん、ひかりちゃんとは、
もちろん、H2のヒロインの女子のこと。
クールでしっかりもののひかりちゃんと天然おてんばな
春華ちゃん。

「俺は春華ちゃんだなー」とか、
「いや、ひかりちゃんだろ」とか、
わやわや騒ぎ出す外野の男子たち。
いや、君らのは、別にいいんだよ。
私が聞きたいのは今日から2週間一緒にやっていく、
この若者の好みなのであって。

と。一人の男子が、
「俺はどっちでもなく、ラフの亜美ちゃん!」
だって。

ラフ?
そういえば前映画でやってたような。
でも、映画の主演って、もこみちだったよね。
あだち充にもこみちはありえないと思って、
見てないんだよね、映画。

と物思いにふけっているうちに、
「あー、亜美ちゃんが入ってくるんだったら
俺も亜美ちゃんだな。」
と、どんどん亜美ちゃん派が増えていく有様。
おいてかれる”にわかあだち充ファン”。

待ってよー、おねいさんを置いていかないで。
というわけで、3ヵ月越しで、やっと友達から
全6巻セットを貸してもらった、というわけ。

最初、男子のキャラクターがやたら多く
登場してきて、いったい誰がなんなんだか
さっぱり分からなかったが、それが整理できて
からは、かなり読みやすくなった。

で、女子のほうはというと、
途中、亜美ちゃんのライバルっぽい女子が
1人出てくるけど、たいしたライバルではなく、
何しろ出てくる男子は全員亜美ちゃんが
大好きなのである。

タッチは1vs2
H2は2vs2 って感じなんだけど、
ラフは、5vs1くらいって感じ?
どんだけもてるんだ。

ストーリー的には、なにしろあだち充には
ありがちの展開で、最後亜美ちゃんが誰を
選ぶのかなんて、読み始めた時点で95%
予想できちゃうんだけど、それでも、亜美ちゃんのことで
いざこざをおこす男子たちとか、どうしようかと
悩む亜美ちゃんとか、そういうのがたまらない。

なかでも、おぼれた亜美ちゃんを男子たちが
助けに行くシーンがすばらしい。
そして、助かったあとに亜美ちゃんが、
「ありがとう、だめだって分かってても飛び込んでくれて」
という言葉で、じんわりきてしまった。
そうだよね、だめもとでも飛び込んでほしいよね。

そして、じんわりしたとたん、はっと現実に
引き戻される。

目の前に差し出されるコンソメスープ。
そうだ、ここは出張に出かける飛行機の中じゃないか。
こんなところで、どうして青春漫画読んで泣きそうに
なってるんだ、自分。
どうして出張に行く重いかばんの中に、
ワイド版のぶっとい漫画が2冊も入っているんだ。

そんなこんなで、火曜日に借りた漫画は、
出張に出かけた水曜の夜には大団円を
迎えたわけだが、最後だけが気にくわない。

なんか終わるのが突然すぎやしませんか。
絶対次の巻があるのかと思うほど普通に過ぎて
行って、急に最後の1ページで結論が出てくる。
そんな急転直下許しません。
ここまで結構じれったく、読者をじらしまくったというのに、
そんなに急いで終わらせなくてもいいんじゃないですか、
先生。

まぁそんなこんなで、青春真っ盛りの気分で8月も
終わりに近づいた頃、急に呼ばれた同期会。
そこで、「ラフがすばらしかった」と絶賛する私に、

「10代はとっくの昔に終わってるじゃないか。
そんなもの読んでも今後の人生には何の役にも
たたないぞ」

との男子たちからのきついお言葉。

悪かったな、役に立たなくて。
役にたつものばかり読んでれば潤いのある
人生送れるかと思ったら大間違いだぞ!

というわけで、最近人生に潤いのない
青年男子、女子の諸君は一回読んでみてね☆

ラフ (6)

2007年8月10日 (金)

働きマン

真夜中にひょっこりやってきた。
いつものごとく、妹が。

前の仕事をなんの未練もなく更新せずに
やめてしまった妹は、やめた次の日に
私の会社用スカートを借りて次の仕事の
面接に行き、即日働いてほしいという
相手方の意向をまったく無視して里帰りし、
1週間ほど至極勝手にヴァカンスを楽しみ、
めでたくスカート返却に訪れてきたと
いうわけだ。

とりあえず、仕事は見つかってよかったが、
なんだかいまいち「すごく楽しい」という
雰囲気が伝わってこない妹のお仕事報告に
ちょっとうんざりしながら付き合っていると、
突然のタイミングで、
「じゃあ私そろそろ帰るわー」
と、彼女は帰っていった。。。

。。。。。。

漫画でも読んで寝よー。

と。
友達から借りた青年向けちょいエロ漫画(7巻セット)
下のほうに、違う漫画が入っている。

あれ。こんなん借りたっけか。

働きマン 3 (3) Book 働きマン 3 (3)

著者:安野 モヨコ
販売元:講談社
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あ。これは見たことあるぞ。
1年位前に、深夜にアニメでやってた。。。

でも、確かこいつ、異常に暑苦しかったんだよな。
なんかどいつもこいつも仕事にばっかり打ち込んでて、
「なんだよ、ほかに楽しみないのかよ。」と思って、
10分くらいでチャンネル変えて不貞寝した記憶がある。

どうしよっかな。
これは誰かに貸したやつが返却されて
そのまま横流しで私に回ってきたんだよな確か。
ってことは、別にすべて読めってことじゃないんだよな。
別に読まないで返そうが、私の自由なんだよな。

とはいいつつも、読まないで返すのも
MOTTAINAIよなー。
とりあえず、つまんなかったらお風呂行くとして、
まだ寝る時間でもないから、読んでみるか。

というちょっと斜に構えた姿勢も、ほんの15分。

気づくと、なかなかやりたい仕事にたどり着けない
新人の話を読みながら、涙ぐんでいる私がいた。

その後も、泣いたり怒ったりしながら3巻まで
一気に読み終わったあと、ふと考える。

アニメを見たときと、今回漫画を読んだときの、
この心境の変化はどういうことか。

1年前は、ほんっっっとうに仕事が面白くなくて、
とにかく、目の前の現実から逃げたかった。
なんとかして(でも円満に)仕事をやめられる方法は
ないだろうかと、半ば本気に考えていた。
仕事してる最中でも、とにかく今日一日が
通り過ぎてくれることだけを願ってやまなかった。

そうして、そんなことしてるうちに、
気づいたら、逃げるところがなくなっていた。

そして今。
逃げるところがなくなってしまった、というこの現実に、
そろそろ納得がいってきた。

逃げることがなくなってしまった今、やらなきゃいけないのは、
目の前にある自分の仕事だ、という覚悟ができてきたんだと
思う。

だから、こういう漫画読んで、
自分もがんばらなきゃいけないんだと思えるように
なってきたのだ。

そうだ。
今はとにかく、働きゃなきゃ、私。

そして妹よ。
あんたも今の状況に文句を言わず、
まずは死ぬ気で働け!

・・・というわけで、妹と交代で、明日から、お盆休みを
いただいてまいります。えへ。

2007年7月14日 (土)

とある有楽町駅の風景

1週間くらい前から、有楽町線有楽町駅の、
ホームから改札に向かうエスカレーターの
両脇の壁に、とあるポスターがたくさん
貼られています。

そのポスターは、全部モノクロの写真で、
とある俳優さんがかっこつけて写っています。
そして、なぜかその写真についているタイトルには、
全部最後に「イ」がついているわけです。

「トリ」だったら「トリイ」
「デンシャ」だったら「デンシャイ」という風に。

あ。これはきっとあれだ。
「イ」から始まる韓流スターの写真集の宣伝。

でも、なにぶん、韓流スターにはあまり興味がないのと、
人の名前(特に日本的でない名前の場合)はすぐに
忘れてしまうので、名前が全然思い出せない。

ああ。なんだっけ、イ・・・・・なんだっけ。
と苦悩してるうちに、エスカレーターが、イ・なんちゃらさんの
前を通り過ぎていくウィークデー。

そうして数日が過ぎた木曜日のこと。
いつもと同じ有楽町駅のエスカレーター。
いつもと同じサラリーマンの長い列。

と。
エスカレーターの隣にある階段のところにいたのは、
いつもとは違う、セレブチックなおば様たち。
銀座とは距離的には近いけど、明らかに異なる
有楽町駅で、明らかに浮いているおば様たち。

そして、そのおば様たちがみんな同様に持っているのは、
明らかに使いこなせていないデジカメ

そして、おば様たちは、そのデジカメで、
イ・なんちゃらさんと写真を撮っているのだ

いや、もちろん、本物のイ・なんちゃらさんではなく、
イ・なんちゃらさんの写真と、なんだけど。

その、あまりに異様な光景に目を奪われていたら、
危うく、エスカレーターを降り損ねそうになってしまった。

しっかし、なんで、今日に限って、あんなおば様たちが
わんさかいたんだろう。
写真なんて、月曜からずーっとあったのに。

そんな木曜日の帰り。
夜10:30。

朝と逆方向に、エスカレーターを下っていく。

両脇には、やっぱりイ・なんちゃらさん。
朝と何も変わらない有楽町駅。
さすがに、おば様たちはいなかったけど。

と。後ろからおねいさまたちの会話が聞こえてくる。

「今日さー、朝おばちゃんたちがすごいここにいなかった?」

あ。私と同じ体験をした人たち。

「あー、いたいた。」

いたよねー。

「なんか今日、イ・ビョンホンの写真集の発売日だったみたい
で、それで買いに来たついでに写真撮ってたんじゃない?」

お。そうなの?
と、おもむろに壁の方をよく見ると、確かにそこには、

7月12日発売

って書いてあるじゃないか。

そうか、それでおば様たち。。。
ってか、イ・なんちゃらさんは、イ・ビョンホンだ!
そうだそうだ、やっと思い出せた。

そんなすっきりした、木曜の真夜中、有楽町駅の
ことでした。

ちなみに。
人数は減っていたものの、おば様たちは、金曜日の
朝も写真を撮っていました。
明らかに専業主婦のセレブな人種なのに、どうして、
電車が一番混む通勤ラッシュの時間に、わざわざ
写真撮るだけのために出かけてくるのか、
その疑問はまだ解けないままです。

パリイ イ・ビョンホン最新写真集 Book パリイ イ・ビョンホン最新写真集

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2006年11月11日 (土)

永遠。

永遠。 Book 永遠。

著者:村山 由佳
販売元:講談社
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ひょんなことから、最近無駄に暇すぎる週末が続いている。
仕方なく、DVDをあさったり、本を読んだり。

手始めに、電車の中吊りで気になっていた本を買ってみた。
またもや村山由佳。
気づくと同じ作家の本ばかり買ってしまう癖があって、
この作家の「天子の卵」は、なぜかうちに2冊ある。
自分の買った本くらい、覚えておいたほうがいいと思った。

1時間もあれば十分読み終わるくらいの短い小説で、
短編集のどこかにでも入れたほうがいいんじゃないかと
思うくらい。
文章は1行づつあけてあって、無駄にページ数
稼いじゃってるし。

小説は、ほとんど、主人公の青年の思い出話で進んでいく。
幼馴染の女の子と、その母親、そして、その母親から
語られた、母親の昔の恋人=女の子の父親の話。
そうして、短大の生徒と講師として、父親に再会する
女の子の話。

感動して、ドトールで涙どぼどぼ流しながら、隣で
勉強している受験生らしき人にいぶかしがられながら、
それでも、「あれ?この話どっかで聞いたことあるような。。。」
でも、この本は新刊だし、さすがに、帰ったらもう1冊あるとか、
そういうことはないはず。

たった100ページくらいの小説を読み終わると、
小説の半分くらいボリュームのある、解説がついていて、
この解説を読むと、変な違和感の謎が解けた。

この小説は、ある映画のサイドストーリーとして
作られたお話だから、その映画のあらすじと重なってるのだ。

その映画が、「卒業」。

卒業 DVD 卒業

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発売日:2003/09/26
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この映画は、見ていないけど、あらすじだけ、どこかで
聞いたことがあった。
キャストは、堤真一と内山理名。
多分、内山理名が引っかかって映画は見に行かなかったのだと
思われる。

でも、小説を読んだら、どうしても映画と照合したくなってくる。
めったに一人では見ないDVD。
でも、どうしても見たい。今。

自宅の近くのレンタルショップは、小さくてあまり商品が
なさそうで、敬遠していたんだけど、勢いで入ってみる。

予想通り、小さい。少ない。
そして、韓流映画に激しく偏っている。

邦画の棚を一生懸命探す。
きっちり五十音順に並べられた棚。
サ行を必死で探す。

・・・結局見つからない。

仕方ないから、「4日間の奇跡」と、「Always」を
レンタルすることに。
純君dayってことで。

純君dayの感想はまた今度。

2006年8月22日 (火)

パイロットフィッシュ

パイロットフィッシュ Book パイロットフィッシュ

著者:大崎 善生
販売元:角川書店
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角川書店の文庫本を2冊買うと、ブックカバー
もらえるから協力しろ、と妹にせがまれた。

角川書店って、そういえばあんまり買ったことないわ、
どんなのがあるのかしら、と田舎の本屋で物色
・・・したけど、なんかいけてそうな本がない!

それは、田舎の本屋だったせいなのか、それとも
角川のせいなのか。

そんな中、やっと見つけたのが、この本だった。
じゃあ今日はこの作家の本にしようと提案し、
妹の方に、もう私は持ってるアジアンタムブルー
渡し、私は、デビュー作のこいつを買うことにした。

この作品は、いわば、アジアンタムブルーの前身なので、
アジアンタムブルーの説明を軽くした方が分かりやすい
かもしれない。

アジアンタムブルーの主人公は、アダルト雑誌の編集者(山崎)。
その編集者が、撮影を通じて、カメラマンの女性(葉子)と出会う。
2人は付き合いはじめるけど、葉子は病気になって。。。
っていう、いわば大人のセカチュウみたいな話。

で、パイロットフィッシュの主人公は、40歳になった山崎さん。
周りの登場人物も同じ人たち。
その山崎さんが、学生のときの恋人、由紀子からの
電話をきっかけに、そのころつながりのあった人たちの
ことを思い出していく。

葉子とは出会わなかった、山崎のもうひとつの物語。

うーん、でも、やっぱりアジアンタムブルーがすばらしかった
だけに、こっちはちょっぴり物足りない感じ。
アジアンタムブルーの時は、葉子、という、確固たるヒロインが
いたけど、こっちは、由紀子が出てきたり、撮影で出会った
風俗嬢が出てきたり、はたまた学生のときの恩人が出てきたり、
そんでもって今の恋人が出てきたり、って、話の中心が
定まっていない風で。
やっぱりデビュー作だから仕方ないかも。

そういえば、アジアンタムブルーって映画になるみたい。

でも、この解説、どうなのさ。

愛する人が死を前にしたとき、いったい何ができるのだろう。
末期がんに侵された恋人と向かったニースでの日々。
喪失感の悲しさと優しさの限りない力を描き出す、
大崎善生原作の慟哭の恋愛小説が映画化。

って、これでは単なるセカチュウになってしまう。
いやセカチュウより何倍もベタなかんじに見える。
もしや、アダルト本の編集者っていう設定を変えてしまうんだろうか。
それは絶対だめだ。
あの設定変えたら、本質が伝わらない気がする。
R18指定にしても、そのままやってほしい。

葉子が松下奈緒なのも大変気がかりだ。
葉子のイメージって、小説だと、そんなきれいなおねいさんって
感じじゃないはず。
背が低めでやせっぽっちなイメージ。
適当な女優が思いつかないけど。

あ。アジアンタムブルーの話しかしてないや。

アジアンタムブルー Book アジアンタムブルー

著者:大崎 善生
販売元:角川書店
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2006年8月20日 (日)

ハチミツとクローバー

田舎に帰ると、同窓会以外はやることのない私。
それぞれの用事で出かけていく妹たちを尻目に、
ウサギと戯れます。

でも、うちのウサギ、小屋の外にはでたいのに、
抱っこされるのが嫌いです。

せっかく小屋の外に放してあげても、部屋の中を飛び回る
ウサギを、見失わないように監視するくらいしか
やることがありません。

見ているだけでは暇です。
でも、部屋をあけていると、ウサギがテレビの
後ろとか行ってケーブルでもかじってしまう恐れが
あるので、部屋から出ることも無理です。

妹に相談したら、部屋から大量の漫画を持ってきて
くれました。

ハチミツとクローバー (1) Book ハチミツとクローバー (1)

著者:羽海野 チカ
販売元:集英社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

今更、って感じもしますが、今までアニメしか見たこと
なかったんです。

しかも、アニメは大変面白いですが、水曜25時から
始まるという超大人向けなので、おこちゃまは眠くて
毎週見るのは無理です。

さらには、このお話、登場人物が多すぎて、見逃しちゃうと、
誰が誰に片想いで、今どういう状態なのかよく分からなくなって
しまう。

だから、ハチクロ2が放送始めたのを期に、読み直して
見ようって思ったんです。

改めて読んで見ると、なんともすばらしいです。
このお話、設定としては、みーんな片想い
だから、せつない、せつなすぎるんです。
5ページに1回くらい、せつなすぎてキューンってなります。

懐かしいこの感覚。
まさしくブルースプリング!!
こいつら本当に大学生か!まだ高校生くらいじゃないのか!
と突っ込みたいくらい、純情すぎる、青春片想いストーリーです。

そういえば、昔、会社のおじ様たちと、「猫好きは片想い好き」
という話で盛り上がりました。

だって、猫って、どんなにこっちが愛情込めて世話しようとも、
まったくこっち向いてくれないじゃない。
自分の都合のいいときだけえさもらうためにミューミュー
泣いて、かわいらしい顔して。
でも、こっちがえさをくれたとたんに、お前の役目は終わりだと
言わんばかりに、そっぽ向いちゃってどこかに秘密のデートに
出かけちゃって。

そんな猫のこと好きな人って、絶対片想いの切ない思いを
抱えた自分が好きに決まってるんです。

ちなみに私。
猫よりはやっぱり犬派。
犬はこっちがかまってあげた分だけ、こちらにも
忠誠を尽くしてくれる。
やっぱり両想いじゃないと寂しいよねー。

・・・って、犬だとか猫だとか考えてたら、蚊帳の外になってしまった
ウサギが、冷たい目で私のことにらんでました。

Dsc00797

だって、お前だって猫みたいに、人がかまってあげようとすれば
逃げたりかんだりするじゃないか。
私は片想いは嫌いなんだよ。

2006年8月 6日 (日)

東京湾景

東京湾景 Book 東京湾景

著者:吉田 修一
販売元:新潮社
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最近、どうしても、「東京」と関係のある本を買ってしまうのは、
もう7年も住んでいるのに、実はあまり東京のことを知らないと
思い始めたからなのか、そろそろ、東京で暮らしていくことの
意味を本気で考え始めたからなのか。

この小説の舞台は、品川埠頭なのだけど、なぜか山側ばかりに
住んでしまう私にとっては、東京の中でも、「品川」は結構未知の
世界だったりするわけで、だから気になったのかも。

ってか、「東京湾景」って、どこかで聞いたことあるぞ、と
思ったら、月9で2年前にやってたのでした。
私も微妙に見たことあったぞ。

でも、読み終わってもしばらくこのドラマに思い当たらなかったのは、
ドラマとこの小説の中身が全然違ったからだな。

ドラマのときは、主なテーマは、在日韓国人と日本人の恋、だった。
韓流がはやり始めたからなのか、パク・ヨンハとか出たりして。
しかも、ヒロイン(仲間由紀恵)のお母さんと主人公のお父さんが
実は昔恋人同士だった、とか、かなり関係が複雑になってきて、
その辺で見るのやめたんだったっけな。

でも、原作は特にそういう大きなテーマはないわけだ。
ただ、出会い方がちょっと変わってるだけ。

お台場で働くOLと、品川埠頭で働く作業員が、日常生活から
逃れるために、出会い系サイトに登録して出会う。
あのころのお台場と品川って、東京湾をはさんだだけなのに、
電車だと陸を回っていかなきゃいけなくて、2人の関係も、
そんな近いけど遠い関係からなかなか抜け出せなくて。
でも、りんかい線と一緒に近くなっていく。
そんな、東京の変化と2人の変化を重ね合わせた物語。
って、このままの方が、なんか月9っぽいな。

ただ、文章がいたって静かなので、特に小説の最初のほうは、
眠気を誘われることこの上なし。
だんだん物語が盛り上がってくると、腰をすえて読めるんだけど。
ちょっとお話が大人すぎたかしら、とも思う。

んー、★★★☆☆、くらいだな。

2006年7月15日 (土)

号泣する準備はできていた

号泣する準備はできていた 号泣する準備はできていた

著者:江國 香織
販売元:新潮社
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夏になると江國の作品が読みたくなる、というのは、
前にどこかで書いた覚えがあるのですが、今年も、
出てました。

「そうそう、やっぱ夏と言えばえぐっちゃんだよね~」とか
通なせりふをつぶやきながらレジに直行、したはいいものの。

今回の作品には、なぜか入り込めない。
全体を通して、「ある身近なもの」を通じて、大事なものを
失っていくときの心情を表したお話が多いのは、いつもどおり、
なんだけど、その、「ある身近なもの」と主題との関係性が
つかみにくい、気がするのは私の頭が悪いから?

もうひとつ、入り込めない理由としては、多分、主人公の年齢が
同年代じゃないからではないか。
いつも、江國の作品では、主人公は子供から20代くらいが
多い気がするんだが、多くの主人公は、中年の女性。
しかもその女性たちは、離婚、もしくはそれに類似した問題、
たとえば不倫とか、そういう問題に悩んでいる。
それはちょっと、今の私には、背伸びしたって理解できない
問題なんじゃないか。

そういえば、この作品、直木賞受賞作品なんだそうです。
そんなこともあって、結構期待しすぎた感も。

直木賞受賞作で、やっぱり一番面白かったのは、
村山由佳の星々の舟

星々の舟 星々の舟

著者:村山 由佳
販売元:文藝春秋
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「戦後」を生きていく、家族の小説です。
直木賞って、そのときはやってる作家が、ちょうどタイムリーに
出した作品にあげちゃう、みたいなイメージがあるんだけど、
この本は、後年のスタンダードになって欲しい感じがします。

あ。違う本の紹介になっちゃった。

2006年7月14日 (金)

おいしいコーヒーのいれ方Ⅷ~優しい秘密~

優しい秘密―おいしいコーヒーのいれ方〈8〉 Book 優しい秘密―おいしいコーヒーのいれ方〈8〉

著者:村山 由佳
販売元:集英社
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ナツイチの季節ですね。
どうして夏になると、本が読みたくなるのかよく分かりませんが、
なぜか2冊も買い込みました。

「おいコー」シリーズって、村山由佳ファンなら誰でも
知ってると思うんですが、村山由佳ファンって、10代が
中心なのかしらん?
こんなおばちゃんファンって、実は結構珍しいんじゃないかと
思ったりします。

だって、お話が若いもんねー。
このシリーズはもう、定番でれでれの青春恋愛小説。
読んでると、こっちが恥ずかしくなっちゃいます。
もうすっかり忘れてしまった(むしろ知らない)青春の
思い出(体験したことないのに)。

「青春の思い出」とか言ってますが、主人公の女性
(かれん)って、私と年2つくらいしか違わないんですよ。
20歳を過ぎて、あの純粋さ、かわいらしさ。
勉強になります!
どーせできないけど。

ところで。
ナツイチ買うと、こんなものがついてきます。

Haguchan
わかりにくいか。。。
はぐちゃんです。
はぐちゃんのブックマークです。

知ってるよね?はぐちゃん。
ハチミツとクローバーです。
今年は映画にもなるみたいですが、同時に、
夜中にまたアニメもやってますね。
相変わらず、毎週見れる(起きてる)わけじゃないので、
またもや展開に着いていけなくなってきてますが。。。

もう1冊の話は、また今度。

2006年6月19日 (月)

だれかのことを強く思ってみたかった

だれかのことを強く思ってみたかった     集英社文庫 Book だれかのことを強く思ってみたかった 集英社文庫

著者:角田 光代
販売元:集英社
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「今まで三田だったんだけど、今度から小金井になっちゃうんだ」
「遠くなっちゃって大変だねー」
って、異動してきたとたんに言われても、はっきり言って実感が
わかない。

だって、その訪問先は、私の中ではもともと小金井に
あったことになるんだから。

しかし、「もともとそこにあった」、にしても、ちょっと遠い。
ちょっと遠いところに行くときは、前の日から落ち着かない。

そんな落ち着かない気持ちで訪れた本屋さん。
旅行ガイドブックを買うついでに、「遠出のお供」も
物色してみる。

そうしたら、面白い本にめぐりあった。

一年間にわたり、角田光代と写真家・佐内正史がふたりで巡り、
それぞれが切りとった、東京という街の「記憶」

(背表紙解説)

東京を横切る中央線の中で開くには、なんとも似つかわしい
一冊だと思った。

そうして、小金井までお使いに行く中央線の中、
この本を読んでみる。

角田光代の、小説、というには短すぎる、だいたい4ページ
くらいの文章。
その1篇が終わるごとに、佐内正史撮影の東京の写真が
現れる。

角田光代は、最近読み始めた作家だが、文体は、江國香織に
ちょっと似ている。
小難しいこといわない、あっさりさっぱりとした文章。

でも、全然違うのは、角田光代の描く主人公や、そのまわりの
人たちは、明らかにちょっと不幸で、しかも、自分が不幸だって
ちゃんと認識している。
その点、江國の描く人物(主人公)は、明らかに周りから見ると
不幸なのに、自分が不幸だなんてこれっぽっちも感じていない。
むしろ、こんな幸せな人間はいないと思い込んでいる。

この、「自分が不幸だってちゃんと認識している
ところが、きっと共感できるのだ。
別に、私の境遇が、あからさまに不幸であるわけではないけど、
100%ポジティブで幸せな人なんて、きっといない。
それでも、毎日ポジティブであること、弱音をはかないことを
求められている中で、こうやって、素直にネガティブである人物
たちを見ると、なんだかほっとする。
そうそう、常にポジティブじゃなくてもいいんだ。

そして、そのあとに続く、東京の街の写真。
これが、なんとも不思議な感覚をかもし出す。
だって、この景色、「絶対見たことある」のだ。
しかも、あの時見た、とか、そういう次元じゃない。
家の近くで毎日見かけるような、そういう景色。
でも、よく目を凝らして電柱の住所とか見てみると、
それはやっぱり私の全然知らない住所。
知らない景色なんだ。

そうして白黒の写真と、白黒の雰囲気の物語を
読んでいくと、最後に、パーっと写真がカラーになって、
ああ、やっぱりこの景色は、知ってる景色とはちょっとだけ
違う、私の物語ともちょっと似てるけど、やっぱり私
こんなに不幸じゃないや、って、現実に戻って、終わって
いく。

帰り道。
小説を読み終わった私は、今度は、窓を流れる、
本物の景色を見ながら、2時間休とって直帰した。

2006年6月18日 (日)

きょうの猫村さん2

きょうの猫村さん 2 Book きょうの猫村さん 2

著者:ほし よりこ
販売元:マガジンハウス
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とある有料サイトで、1日1コマの漫画として、連載されている
ようです。

で、1巻を買ったのが、昨年末。
1日1コマってことは、2巻が出るのは2年後くらいじゃん?
って思っていたら、なんのことはない。
たったの半年で、第2巻が出てきました。
いったいこれはどういうことなんだろう。

第1巻はほとんど登場人物の紹介くらいで終わった気がしますが、
2巻になって、躍動感が出てきましたね。
物語が、進んでいる感じがします。

娘さん(尾仁子)がだんだんと心を開いていく様子、
奥様とだんな様の関係。

でも、一番大きな出来事は、秘密の部屋の正体が分かったこと。
第1巻で、なんだか不気味な存在だった秘密の部屋の謎が
解けたことにより、話が一気に進み始めます。

それにしても。
猫の行動を見ながら、自分の行動をふと振り返ると、
反省すべき点が多々あることに驚かされます。
この猫、人間関係のあらゆるところに首をつっこみたがる、
いわゆるおせっかいさんなのですが、それは、好奇心では
なくて、その人のことが心配だから、首突っ込んじゃうわけです。

その点、私は他人のことに、ちょっと無関心を決め込みすぎじゃ
ないかと。
首突っ込むといいことないような気がして、とりあえず言われるまで
黙ってることいっぱいあるんじゃないかと。

もう少し、自分のリスクばっかり気にしないで、他人のために、
ちょっとがんばらないとなぁ、と思ってしまう私。

・・・それ以前に、人に迷惑をかけるのだけは、最低限
やめるようにしないとなぁ。
いや、わざと迷惑かけてるわけじゃないのよ。
ただやり方がわからないだけなのよ。

2006年6月 8日 (木)

「へんな会社」のつくり方

「へんな会社」のつくり方 Book 「へんな会社」のつくり方

著者:近藤 淳也
販売元:翔泳社
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最初に断っておくと、私は、「社長が語る会社経営」の話は
大っ嫌いです。
そういう類の本とかblogとか、見るだけで虫唾が走ります。

理由はよく分からないけど、

・明らかに自分の会社の宣伝目的
・そもそも、お前は本当に成功者なのか。
・大上段から物を言い過ぎ。
・ときに説教くさい。
・インテリっぽい言動が多い(イメージ)
・自画自賛過ぎ

この辺がやな雰囲気かもし出しているんじゃないかと
思っています。

そんな私が初めて読んだ、「社長が語る会社経営」が、
この本です。

会社のイントラで、これに似た名前のHPがあるので、
ちょっと気にしてみていた「はてな」。
最近は、気になる言葉をぐぐると、かなり上の方で、
Wikipediaと同じくらいの勢いで、ひっかかってくるように
なりました。

でも、Wikipediaは、百科事典を目指しているので、
たとえば、MEGUMIとかひいても、結構体裁だけは
インテリっぽい感じ。

一方はてなは、MEGUMIを人力検索すると・・・
グラビア出身のmegumiさんの体重を教えて下さい。

・・・あほですよまったく。
まったく体裁を整える気がない。

この、まったく気取らない感じが、はてなです。

そして、そのはてなそのものが、この会社の社長さんです。

まったく気取ってないため、高知行き帰りの飛行機を
使って、半分寝ながら読んでもすらすらすらすら読めます。

鼻につく感じも一切ありません。
とことん謙虚な文章です。

「立ったままの会議」とか、「社内会議をユーザにポッド
キャスティング」とか「ToDoリストを箱にメモ投げ込んで管理」
とか、一回R25で載ったから、きっともう有名ですが、すごいのは
その制度じゃなくて、そういうことを何気にやってしまって
いるところだと思うんです。

「会社はこうあるべき」と考えて、体裁ばっかり整えて、
中身空っぽの会社がたくさんある中で、シンプルなことを
シンプルなまま考えて形にしていく、というその経営姿勢は
本当に斬新です。

かなりはてなに傾倒してきて、とうとうはてなに登録して
しまいました。
ribbonのはてなブックマーク

Blogも、気付いたらはてなに移行してたりするかも
しれません。

2006年5月25日 (木)

グーグル Google ~既存のビジネスを破壊する~

グーグル―Google 既存のビジネスを破壊する  文春新書 (501) Book グーグル―Google 既存のビジネスを破壊する 文春新書 (501)

著者:佐々木 俊尚
販売元:文藝春秋
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沖縄行きの飛行機搭乗前。
Web進化論にしようかこっちにしようか迷った挙句、
Web進化論はなーんかみんな読んでるしなぁ、と
こっちにしました。
一番売れているものは、ちょっと避けてしまう、斜めな
私です。

この本に書かれていることを超かいつまむと、

Googleは確かに今までになかったビジネスモデルを
作り上げてきて、マジですごいよ、でも、そろそろ
技術的にすばらしいだけではどうにもならないので、
理念とか持たないといけないんじゃない?

ってことですね。

これは、Googleだけに言えることじゃない。
結局、技術力とお金目当てが中心のIT業界には、
多かれ少なかれ似たような現象が出てきていて、
最近それがちょっとずつ、表沙汰になっている、という
感じですね。

確かにみんな技術力もすごいし、それを元に確かに
儲かってる。
だけど、その技術が世の中に与えるインパクトとか、
社会的責任とか、そろそろそういうポリシーきちんと
持って、経営していかないといけないんじゃないかと、
こういう社会に携わってるものとしては、つくづく思ってしまう
わけで。

いや、その前にコア技術とかビジネスモデルとか、
そういうもの持ってるだけで、それは十分すばらしいと
思うんだけど、インターネットって、もう社会の重要インフラの
1つになってしまうと思うので、だからこそ、インフラ支えてる
という自覚をきっちり持ってやっていくべきだと思うんですよ。
インフラ屋さん的には。

でも、結局、今のITインフラをまん前で支えてるのは、
やっぱり、ITベンチャーの皆さんのがんばりあってです。
だから、それでもがんばって。がんばろう。

Web進化論も読んでみるかな。

2006年5月11日 (木)

ココロミくん

ココロミくん Book ココロミくん

著者:べつやく れい
販売元:アスペクト
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ギョームチュー、集中できないので、アマゾンでも見て気晴らし。
おすすめ商品を見ていたら、こんなのがヒットしてきました。

アマゾン的には、「ばらいろポップを評価されたお客様に
おすすめします」なんだそうです。

・・・でも、絶対にばらいろポップとは関係ないでしょ?

でも、このゆるーい絵。すごく気になります。
下のほうの解説を読むと、

一日数十万ヒットの大人気ポータルサイト
「デイリーポータルZ」で毎週、中毒的リピーターを大量発生
させている(ある意味)天才イラストレーター、べつやくれいの
連載が、オールカラーで一冊の本になりました!

だって。

デイリーポータルZ
知らないポータルサイトがあるとすごく気になります。
さっそくググッて見ると、こんなサイトがヒットしてきました。
オフィスを社外に移したエイプリルフール

シュール。
そしてゆるすぎる。
ポータルサイトを職業にしている人たちって、なんて自由なんだろう。
※正式な入り口はこちらです

と思って、残業がない水曜日。
アマゾンで頼むより買ったほうが早い。
早速本屋で買ってきてしまった。

この本は、「やらなくてもいいことをやってみる」のがコンセプト
だそうですが、まじめにばかげたことを本気でやっちゃって
います。

「スタバのコスプレでスタバに入る」 とか、
「ねこふんじゃったについてねこにあやまる」 とか。

それを漫画でレポーティングしています。

ゆるすぎる。
今まで読んだ中で一番ゆるかったのはきょうの猫村さん
でしたが、あっちのゆるさは、鉛筆書き、という絵の雑さ
から来ているものであり、ストーリー性がちゃんとあるので、
まだちゃんとした作品と言えるでしょう。

ココロミくんは絵もゆるければストーリー性もあまりない、
ということで、ゆるさレベルは猫村さんよりだんとつ
高いのではないでしょうか。

自分の仕事のできなさかげんに落ち込んだときに、
自分よりだめな人を見るとなんだか落ち着く。
それと同じ感じで読めばいいのだと思います。
こんな実にならないことばかりやって生きていて
ばかだなぁ
と。

でも、逆に、こんなものに1,050円、と思うと、ちょっと
あほくさい感じがするのは否めません。。。

さて、昨日19:30から寝てたため、こんな時間に起きて
しまいましたが、再び眠くなってきたのでもう一眠り。
こんなだめな自分を慰めるために、通勤時にもう一度
この本を読んで元気になろうと思います。

2006年4月19日 (水)

ダ・ヴィンチ・コード

ダ・ヴィンチ・コード(上) Book ダ・ヴィンチ・コード(上)

著者:ダン・ブラウン
販売元:角川書店
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文庫になるのをずっと待ってました。
そして、買ったが最後、一気に読み干しました。
日曜に買って、たった4日で上~下巻まで読破。
もう仕事とかなんとか考えられません。
続きが気になって、ずーっと上の空。
一刻も早く電車に乗って続きを読まないと。

昨日は電車を降りるタイミングと、話がきれるタイミングが
あわなかったため、電車から降りても本読みながら切符
出して、そのまま駅の柱のところで人を待つふりしつつ
本読んで、それでもまだ事足りず、すぐ近くの松屋入って
オーダーが出てくるまでまだ読む読む。
まさしく本の虫でした。

だって、息つくことも許されない展開なんです。
それは、歴史書という面からも、サスペンスという面からも、
推理小説という面からも。
そして、どこまでが本当でどこからが作り話なのか全然
分からない、というそのリアリティあふれる感じが一層
人をひきつけます。

いまさら内容を語るのもおこがましいと思いますし、
去年くらいにアンビリバボーとかそういうドキュメンタリーで、
マグダラのマリア伝説は結構やってたので、補足知識的には
それで充分ですね。

これ、もうじき映画で公開なんですよね。
映像になれば、絵画の説明とかはかなり分かりやすくなり
ますよね。

でも、心配なのは、歴史的解説のところですね。
映画って、長くて3時間弱くらいでしょ?
歴史的裏事情の説明をまともにやってたら終わりませんよ。
でも、世界史の授業を超まじめに受けてたとしても、
結構追いつくのは難しい内容ですよ。
はしょっちゃうと、途中で置いてかれちゃう人が多いんでは
ないかと。

確かに、推理小説部分は超難解です。
ひとつ謎が解けるごとにどんどん謎が出てきちゃって、
まだ終わらないの?!ってちょっとうんざりするくらい。
まぁ、芸術的なことはよく分からないけれど、ジグソー
パズルとお絵かきロジック好きな私には、この種の謎解きは
かなり血の騒ぐものでありましたが。

でも、いろいろと薀蓄ばかりを語ってるのではなくて、
実はもっと人間の根本的なものを捜し求めていたのだと
いうことに最後に気付かされて、激しく圧倒されること
間違いなしです。

何はともあれ、こういう難解かつ高尚な文章がベストセラーに
なる時代なんですね。
日本人の知識レベルが上がってるということなんでしょうか。

ちなみに。
このblog立ち上げて、今日で100記事目だそうです。
あたしの文章レベルは、100個書いてもあまり変わりませんね。。。
もう少しバックグラウンドを充実させないとだめか。