あおぞらをもとめて
それは約1週間前の火曜の夜。
46年ぶりに、絶対に晴れないといけない日を
明日に控え、そのイベントの、単なる傍観者
ではなく、なぜか関係者みたいになってしまった
私は、曇った夜空を見上げながら、ある曲を
ひたすらに聞いていた。
それは、椎名林檎の「あおぞら」。
本能、という、いかにも椎名林檎らしい
破滅的な曲のカップリングに入っていたのだと
いうこの曲は、メインの曲の印象とは正反対に、
とても穏やかで優しい曲であった。
ねえ、見てる?
ほら、星が光ってるのを
明日は心も空も、素敵な青
その日の夜空は、決して星が光ってるような
晴れあがった空ではなかったけども、明日は
きっと晴れるだろう、ってか晴れろよ、と
思いながら、ひたすらにこの歌をリピートしながら
家路に着いた。
次の日の朝。
当然のことながらもう夜は明けてしまって
やっぱり星なんて光ってなかったけど、
どんより曇り空をにらみつけつつ会場に
向かいながら、やっぱり私はこの歌を口ずさんでいた。
この世で一番、輝いている人は、
努力しているって、教えてくれたね
とか、
本当の自分に、正直で飾らない
あたしでいいんだって、教えてくれたね
とか、なんかもう天気はよくならなそうだから、
とにかくイベントが滞りなく終わることを祈りながら。
でも、私の歌が聞こえたのだろうか。
私の真上の東京の空はいまいちだったけど、
中心地ともいえる小さな島はその日しっかりと
晴れあがって、イベントは大成功に終わったのだった。
そんなイベント終了後の本日月曜日。
イベントがひと段落してしかも月曜日ともなると、
ぼけーっとしてしまって、全然仕事がはかどらない。
眠い、とにかく眠い。
朝外出しちゃったしなー。
とか思って、ふと外を見ると、さっきまで
すばらしくいい天気だったのに、急に
すごい雨。
ビルの周りの景色は真っ白で、ビルの中からでも
雨の線が見えるんじゃないかというくらいしっかりと
降っている。
本当に、見てるだけで完全にやる気を失いそうな、
そんなどよんとした天気。
あーあ、晴れないかなぁ。
こんな雨の中家に帰るのだけは絶対に嫌だなー。
と、大してはかどりもしないのに仕事しつつ、
帰る時間を無意味に引き延ばしながら、ある曲を
小さく口ずさんでいた。
それは、My little loverの、「雨フリのち神なり」。
雨フリのち神なり
行く手は未来が 高く誇らしげに
笑って待っています
気まぐれな 空模様 何か似てる
って思いながら
まいっか。また晴れるなら
また晴れるなら、まいっか、ってことは、
晴れないと絶対に許さないんだぞ、って
思いながら、青空を求めて、私は仕事も
そこそこにずーっとこの歌を頭の中で
リピートしていたのだった。
と、そんな感じで定時が過ぎた頃。
やけに窓のあたりが騒がしいなぁと思ったら、
なんだかやたらとギャラリーが集まって外を
見ているではないか。
え?何?UFOでも飛んでた?
と思い、ミーハーな私が走って窓にしがみつくと。
なんと、ビルの両側から、虹が、でていた。
こっち側は1本。
そんでもって、反対側は、よく見ると
2本虹が出ている。
(ライトの映りこみはご容赦願います)
雨があれだけじゃんじゃん降って、
そのあと急に晴れたから、こんなに
素晴らしい虹が出たってことなんだろう。
これぞ、雨フリ 神なり。
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あおぞら |
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