幸せの、半分。
コネタマ参加中: おみくじ引いた? 2009年の運勢と抱負を教えて!
2009年最初の散財は、スキーだった。
まさか、あんたが自主的にスキーを買うなんて
思わなかった、と家族がぽかんと口をあけている
中、私はほとんど迷うことなくHEADとかいう、
確か私の子供のころはなかったと思われるメーカーの
セットスキーを買った。
セットでも、足が痛いと悲惨なことになるので、
ちょっとでもいいやつ、足にフィットしたやつに
しようと思って、足を実測したら、25cmですね、
と、ちょっとカッコイイお店のお兄さんに言われ、
新年最初からイケメンに「足がでかい女」という
不名誉な印象を植え付けてしまったと思ったら
ちょっとへこんで、ぶつぶつ文句を言いながら
向かった先は、もちろん善光寺。
そこらへんのアナウンサーよりも全然アナウンスが
うまくて面白い警備員のおじさまのお話を聞きながら
長い長い列に並んで、雪が舞う、から、雪が降る、に
変わったころ、やっとこさ参拝を終えると、妹は早速
いつものセリフを吐いた。
天津甘栗買って帰ろう。と。
妹の大好物、善光寺の天津甘栗。
うん、買って帰ればいいじゃない。
あんた夜は夜勤なんだし。
私は食べないけどね、あんなにべたべたするもの。
しかし。
いつもはあるはずの天津甘栗屋さんが、ない。
いくら探してもない。
おっかしいなぁ、天津甘栗どこにいっちゃったんだろう、
と、勝手にマジ凹みする妹をなだめようと思って、提案した。
そうだ。
おみくじやろう。
私はできればおねいさんが占いの棒みたいなのを
差し出してくれて、一本棒を抜くと、下に番号が書いてあって、
おねいさんが大事そうにその番号の紙を持ってきてくれる、
ああいうタイプのおみくじがやりたかったのだけど、
近くにあったのは、おみくじ自販機。
味もそっけもないなぁと思いながら、自販機に100円入れると、
ストン、というなんともつまらない音がして、おみくじが出てきた。
次は妹の番。
同じように、100円を入れようとしたところで、
母が走ってきた。
ねえ、2回やって。
仕事の関係で、田舎に帰省できなかった下の妹の分も
おみくじを引いて、送ってやろうというのだ。
そんな、他人が引いたおみくじで、運試しなんかできる
もんだろうか、という疑問が激しく首をもたげているのだが、
本気の母にそんな突っ込みを入れることもできなかった。
というわけで、まず自分の100円でおみくじを買った
真ん中の妹は、次に母からもらった100円で、下の
妹の分のおみくじを購入。
その間に、私は自分のおみくじを開封する。
と。
そこには、近年おめにかかることができなかった、
大吉の文字。
よろこび事十ぶんなり とか、
えんだん吉、産はあんざん とか
書かれていて、その横に最も待ちわびていた、
「待人来たる」のお告げ。
キタ――――!
おねえちゃん、キタ――――!
と、姉が小躍りしながら喜びに浸っている間、
妹は悩んでいた。
どっちが私の100円で買ったおみくじで、
どっちが母の100円のおみくじだっけ。
ま、両方あんたがひいたおみくじだから、どっちでも
よいんじゃない?と姉。
ねぇ、どっちも、まさか凶ってことはないよね??
凶送ったら怒られちゃうよね?
と、下の妹のことばかり気にする母。
真ん中の妹は、母の意見はガン無視して、私の
意見に賛同したようだった。
私、この自販機で凶ひいたことあるよ、と、母が
がっかりするようなことをぶつぶつ言いながら、
とりあえず目についたほうのおみくじを開封する。
そこには、今まで誰も見たことのない、今年の
運勢が書かれていた。
半吉。
はんきちぃ?
なにそれ。
半分なの?
何の半分?大吉の半分?
それとも吉の半分?
半分ってどのくらいのことをいうの?
妹のつたない音読を聞いていると、
「願い事叶い難し」とかなんとか言っているので、
あんまりすばらしい運勢でないことは確かだ。
でも、確か中吉もあったよね?
中吉と半吉って一緒なの?
幸せの量でいくと同じくらい?
もしかして最近中吉ってなくなったの?
法律改正?
矢継ぎ早に質問を繰り出す、大吉を手にしている
姉に、相当ムカついたんだろう。
「でも、大吉の人は、大吉引いたっていうことで、
すでにその年の運の半分は使っちゃったような
もんだよね」
小学生みたいな負け惜しみ。
しかもまた半分とか言って。
だから、その半分ってどのくらいなのさ。
と言いながら、駐車場に戻ってくると、何かをふんづけて
母が言った。
なにこれ、気持ち悪い。
誰かがマフラーか何か落としたんじゃない?と妹。
確かにそこには濡れそぼった毛糸の塊。
ま、もうこうなっちゃったら使えないね、と言いながら
特に気にすることもなく車に乗り込んで帰路に着いた。
と、帽子を脱いだ妹が叫んだ。
あーー!
帽子のボンボンがない!
そう。
母が気持ち悪い、と言った毛糸の塊は、ほかでもない、
妹の帽子のボンボンであったのだった。
ボンボンがとれて、半分になってしまった帽子。
これが、いわゆる半吉ってことなんだろうか。
ところで。
あのとき真ん中の妹が選ばなかった、
下の妹用かつ、真ん中の妹のもう1つの運勢であるところの
100円おみくじ。
あれは、私が大事にお預かりして東京に持ってきたのだが、
妹は東京で遊び歩いており、取りに来ていないため、
まだ開封されていない。
私と同じ大吉か、母が恐れている凶か、はたまた
最近はやりの半吉か。
ちなみに、運勢の量としては、
大吉>中吉>小吉>吉>半吉>末吉>末小吉>
凶>小凶>半凶>末凶>大凶
の順番になっているらしい。
ま、本当のところは、1年後、私の幸せと妹の幸せの
量を比べてみないことには分からないんだけど。
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