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2008年8月

2008年8月23日 (土)

容疑者Xの献身

容疑者Xの献身 (文春文庫 ひ 13-7) Book 容疑者Xの献身 (文春文庫 ひ 13-7)

著者:東野 圭吾
販売元:文藝春秋
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ガリレオが、映画になるんだそうな
それはもう、ガリレオドラマ版の1回目が
終了した時点で映画化が決定したんだと
いうから、なんとも気の早い話である。

で、映画になったネタというのが、直木賞受賞作の、
容疑者Xの献身である。

結構、東野圭吾は読んでいるはずなのだが、
なぜか、ガリレオシリーズには手をつけていなかった
私。

ドラマになるまえは、ガリレオシリーズの
存在を知らず(平積みにもなってなかったし)
ドラマになってからは、流行りものを避けるという
本能が働いてしまっていたらしい。

でも、今度は映画化だし、そろそろ真面目に予習を・・・
と思ったかというと、そういうわけでもない。

特にこの作品は、直木賞のおかげで、いろんな
ところで有名になってしまったので、どこか意識的に
避けていたものだし、何より、まだFEがクリアできて
いないのだ

そんなときに、集中して本が読めるだろうか。

でも、ひょんなことから、私の所に本が回ってきた。

「借りた本は1週間以内に返すこと。」
小さい頃に図書館で教わった基本ルールは、
まだ私の中で根強く生きている。

ゲームも終盤に入り、しかも1日1面、というハードルは
以外にサクサク超えられているので、1面クリアしたら
本を読む
、というルールを設定して、読んでみたら、
2日で終わってしまった。

直木賞受賞作として、こればかりがクローズアップされて
いるような気がするが、作品のクオリティは、他の作品と
そんなに大きく変わらないと思う。

最初に、すべてのトリックを読者には与えたような
書き方をしておいて、実は最後に、その何倍も
残酷な事実が待っている

この本を読んでいて、昔読んだ東野圭吾の作品を
思い出した。

レイクサイド レイクサイド

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こっちは刑事物ではないが、死体の処理の仕方がそっくりだし、
直木賞とは行かないまでも、このミスに選ばれて、さらには
これも映画化されている。

レイクサイド マーダーケース DVD レイクサイド マーダーケース

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それに、この話もやっぱり、最後に、予想を何倍も
上回る、残酷な事実が待っているのだ。

さて。
原作を読んでしまったところで、気になるのが、
映画とのギャップである。

最近のギャップでひどかったのは、
なんといっても、チームバチスタである。

もともと、ハードコアなお医者さんたちの、
男くさいストーリーであったのに、なぜか
結子たんが中央に据えられて、しかも、
でぶで胡散臭いはずの官僚さんが、
渋面の阿部ちゃん

映画の中にはなぜか結子たんのソフトボール
シーンまであって、なんだか軽くて、本来の
趣旨とは違う映画に仕上がってしまったのである。

そうして、ガリレオの映画のキャストを見てみる。

まぁガリレオの相手方の刑事さんが柴崎コウに
なっているのは今更しかたないし、ドラマはそれだから
おもしろかったわけなので、もう何も言わないことにして、
映画特有のキャスト(犯人側)に目を向けてみると。

幸薄な弁当屋の店員さんが、松雪泰子
そんな弁当屋さんに惚れる天才数学教師が堤真一

うーん。。。
本を最大限に忠実に再現するのであれば、

店員さんは木村多江
数学教師は伊集院光で行ってほしいと
切に願うわけだが。

あ。ちなみに、映画化記念、ドラマ再放送があるんだってさ。
録画予約しとかなきゃ!

2008年8月21日 (木)

田舎の夏休み事情

夏の嵐は、田舎で年に1回の花火大会の日に
やってきた。

遅めの朝食を優雅にとっていると、突然、
玄関のチャイム。

「りーぼんー、あそぼー」

え。ちょっと待って、まだ私パジャマ。。。

とりあえずガキ2名に庭でとれた
与えておいて、急いで着替える。

やっと落ち着いたところで、まだ桃と
格闘しているガキに近況を聞くことにする。
話題は、もちろんこいつらの夏休み
ことだ。

「宿題は終わったの?」

「終わったよ~」と言ったのは1年生の妹
4年生の兄は、「あとは工作と自由研究!」なんだそうな。

そう。おおむね順調じゃない。

あ。そういえば・・・

「ねぇねぇ、今年って、夏休みいつまでなの?」

「19日まで!!」

相変わらず、長野の夏休みは短い。
東京の夏休みといえば、海の日~8月31日
お決まりで、東京のガキどもは、ともすると、
全国の学生がみんなこの日程でお休みだと
思い込んでるかもしれないわけだが、そんなことはない。

長野の夏休みは、年によって多少差はあるが、
だいたい7月28日くらいから8月20日くらいまで

私の頃は、その代り、冬休みが都会よりちょっと
長いうえ、2月には寒中休みが1週間くらい。
ついでに、別途、春秋の1週間くらいは
「お手伝い休み」なる休暇を与えられていた。

「お手伝い休み」
春と秋の、田植え、稲刈りの農繁期に合わせて、
家業である農業を手伝うために学校を休校とすること。

だが、農業人口の減少と温暖化の影響で、お手伝い休みも
寒中休みも、あまり意味がなくなってしまった。
そして、今ではお手伝い休みは廃止、寒中休みも、
もうほとんど廃止されたんじゃないだろうか。

でも、その代りに夏休みが延びたかといえば、
このガキどもの話を聞く限り、そんなことはないらしい。

そんなこんなで、結局、都内の小学生に比べて、
長野の小学生は1年あたりのお休みが半月分くらい短く
なってしまっているらしい。

なんてことを、この前めざましテレビで言っていた。

不公平だ。
なんとも不公平だ。

そして、このガキどもは、なんとも不憫じゃないか。

こんな8月の中旬から、

「自由研究終わってないじゃないか!
あと夏休み1週間しかないのに!」

「明日やるよ!やるってば!」

って、家族中から責められなきゃいけないだなんて。

でも、そんなお盆が明けた夜、縁側でウサギと戯れながら、
私は気づいた。
夏休みの本来の目的を。

そもそも、夏休みとは、学校で授業を受けるには
あまりにも暑すぎて、授業なんて受けられる状態じゃ
ないから学校をお休みにします!
というのが趣旨である。

そして、東京は確かに、8月の終わりまで毎日とにかく
暑い。
外に出たとたん、クーラーを求めてさまよわないといけない
くらいの暑さが、8月終わりまで衰えることはない。

でも。
長野のお盆明けの夜長は、気づけばとても涼しくて、半袖の
パジャマじゃ肌寒いくらいになっていた。

昼間の日差しはまだ強いけれども、吹く風は確かに
涼しくて、季節は明らかに、晩夏から初秋へ
移り変わり始めていた。

だから、もう学校を休まなくても大丈夫。
涼しくなった教室で、集中してお勉強ができるはず。

そして、1週間前は私をもてあそんでいたガキどもは、
今日元気に始業式に向かったことだろう。

一方、私も、ガキどもより一歩はやく、昨日から
会社の2学期を始めている。
東京は、まだまだ暑いけれども、お姉ちゃんも
がんばらないとね。

2008年8月20日 (水)

父への告白

この夏休み、私は父に打ち明けないといけない
秘密があった。

でも、お盆は完ぺきお休みのはずだった父は、
思いがけず、お盆前にバグを見つけてしまい、
前半はバグ取り作業で出社。

別に、秘密の告白自体はそんなに時間をとる
話じゃないんだが、話したあとに、父はきっと
大変なことになるだろう、仕事も手につかなく
なっちゃうんじゃなかろうか、と思った私は、
そんなこと、おくびにも出さずに秘密にして
おいたのだ。

そんなお盆も後半に入ったある日。
やっと休みに入った父と2人で、県境まで
ドライブに出かける。

道の駅で野菜の苗やらお土産やらを物色し、
まずいラーメン屋でやたらと量だけ多い
ラーメンを食べて、家に帰る道すがら、
とうとう私は打ち明けることにした。

「お父ちゃん、私、実はね。。。」

無言で話を聞く父。

「最近、ファイアーエムブレムやってるんだ」

「お!?!?!?」

明らかに声が高くなる父。

「それはあれか。うちに持ってきたのか」

「うん。」

「じゃあ、うちに帰ったら、それ、ちょっと貸して。
お父さんもやるから」

解説しよう。
ファイアーエムブレムとは、大昔にファミコンで
初めて販売されてから、何度か焼き直しを繰り返して
いる、シュミレーションRPGと言われるジャンルの
ゲームである。

通常のRPGの行動単位は主に4人程度(まぁ馬車の
中とかを使って、登場人物は増やしていく傾向にあるが)

あるが、ファイアーエムブレムでは、ざっと
味方の軍勢、50人以上

そして、面ごとに15人弱のメンバーをそこから厳選して、
軍隊を編成。
1ターンごとに、味方の軍勢を進めていって、だんだんと
敵の軍隊を切り崩し、最後はボスを倒して制圧。

そして、何よりも特徴的なのが、一度死んだ味方は
原則復活しない
、ということだ。
その辺のファンタジーなRPGは、杖使ったり、教会に
金を払ったりすると、味方が生き返る、という甘っちょろい
仕組みを作っているが、このゲームは大変現実的な
ゲームであり、そんな、現実に起こり得ないようなシステムは
極力切り捨てている。
(じゃあ魔道士だのシスターだのはなんなんだ、という
質問は受け付けません)

父は、このシステムのせいで、一番最初はとんでもないことに
なった。
いつか生き返るんだろうと思って、味方がやられていくことも
特に気にせず、一直線にゲームを進めた結果、5面開始時に
残っているのは主人公とアーマーの2人だけ

出陣することすらままならなくなった父は、すべてを捨てて、
一番最初からゲームをやり直す羽目になった。

しかし、この難しいゲームのシステムが、父の心を
大きく揺り動かしたのだった。

もともと、将棋は初段の父である。
キャラクターを駒に見立てて、攻め方を考えていくという
シュミレーションRPGのシステムに、すっかりはまってしまった。

あれから、もう18年
最近はWiiみたいな、誰にでも操作できるシンプルな
ゲームがはやっていることもあり、父のゲーム熱は
すっかり影を潜めていた。

しかし。
18年ぶりにファイアーエムブレムを手にした父は、
急に、あの頃の情熱を思い出してしまったらしい。

その日、家に帰ると早速DSを初めて手にした父。
私が簡単に動かし方だけ教えると、父は言った。
「おお!これ、面白い!」

・・・・・・それから、2日半
朝も夜も、父はずーーーーーっとゲームをやっていた。

オリンピック中継を横目に、休むのはご飯食べる
ときとお墓にお参りに行く時だけ。
睡眠も1日3時間程度で、とにかくずーっとDSに
向かっていた。

いや、お父ちゃん、そのゲームね、8/7に発売した
ばかりで、私もまだ
13章までしかクリアしてなくてね、
お盆休みの間にじっくりやりつくそうと思って持って
帰ってきたんだけど。。。

なんて、楽しそうにゲームに熱中する父には言える
はずもなく、私は仕方なくマリオカートをやり倒す。

そして、最終日。
もう寝ようと部屋に戻ると、机の上に、DSが
ひっそりと置かれていた。

DSを開いて、父の記録を覗くと、そこには
「第20章」の文字。

…2日半で、あっという間に私は追い越された。
やっぱり父には、かなわない。

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2008年8月18日 (月)

料理教室3回目~そして夏休みの宿題~

お盆で田舎に帰る2日前。
私は気合いを入れて、料理教室へ向かった。

それは、夏休みに入る前の、総復習みたいなもの。
母親が課した、夏休みの宿題のための、ね。

そんな、気合いを入れた作品が、
ゴーヤチャンプル
代表とした、典型的沖縄料理である。

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何気にちんすこうまで作ってしまうという、
超本格派。
今後、一生作ることはないにしても。

そして、テスト勉強を完璧にこなした私は、
胸を張って田舎に帰る。
これで、料理作ってみろと言われても、
大丈夫。たぶん。
あ、レシピ忘れてきた。

そんな長野避暑生活1日目。
母は早速攻撃を仕掛けてきた。

その日、妹も父親も飲みに出掛けてしまい、
夕飯を食べるのは母と私だけ。

「パスタとトマトはあるんだけどなぁ。
ミートソースは飽きちゃったしなぁ。」

なんか、私が学習してきた料理を見透かしたような
戯言を聞いてしまったので、作らないわけにはいかなく
なってしまった。

母がパスタをゆで始めたところで、道路を渡ったところの
スーパーでアンチョビとオリーブオイルを買いにでかけ、
にんにくを炒めてアンチョビと混ぜ合わせ、一方で
トマトドレッシングを作って、最後にトマトとアンチョビと
パスタを混ぜて、冷製パスタのできあがり。

混ぜ合わせている間は、母の質問タイムだ。

・ねぇ、アンチョビって何?
→鰯のオイル漬けです。まぁサバ缶とほぼ一緒だね。

・オリーブオイルって変なにおいしない?
→その油、腐ってるんじゃない?

・料理の先生って何歳くらいなの?
→んー、30歳前半かなぁ。

そして最後にこの質問。
「ほかは、どんな料理作ったの?」

んー、親子丼とか、ゴーヤチャンプルとか、、、
(これしかやってない)

そこで、母は閃いてしまった。
「あ!お父さんの育てたゴーヤ
採れたのよ!」

そう。
父の家庭菜園は変なものばかり育っている。
桃やピーマン、しし唐はまだいいにしても、
たまに、白いナスとか採ってくる。
(ちなみに白いナスは硬くてまずい)

そして、チャンプルーしか料理が思いつかない
ゴーヤー
チャンプルーしかレパートリーがないのに、
なぜか毎日見事に実ってくれている。

ちなみに、母のパスタの評価はまずまずであった。

そしてその2日後。
昼間いとこの子供に弄ばれてへとへとの私にも、
母は容赦しない。

「おかーさん今日仕事で疲れちゃったー。
ゴーヤチャンプル作ってー」

私がいとこの家でお茶してる間に、
ちゃっかりもうゴーヤも水に浸してあったりして。

わかったよ。
作りますよ。

ちなみに、料理教室のときは、お肉はスパムなる
高級食材を使ったわけだが、母はスパムもわからないし、
田舎のスーパーでは購入不可能であるため、
家にあったハーブウインナーを炒めて、それでも足りない
ので、とりあえずひき肉を突っ込んでみる。

だしも、料理教室ではほんだしを水に溶かしたものを
利用したわけだが、母が、ほんだしぃ?と反抗的であった
ため、家にあった中華だしを利用。

風呂掃除をしている母に、
「ねぇ、これってどのくらいが適量なのぉ?」
と聞いたが、答えがないのでとりあえず
傾けたらどどっとだしが流出した。

やべやべ、ととりあえず混ぜ合わせたら、
なんだかよくわからないがいい味になったので、
もう火を止めることにした。

ちょうどそのタイミングで、仕事から帰ってきた父が
晩酌を始めたので、つまみにゴーヤチャンプルを
出してみる。

「どぉ?」

父が一口。

「んんー、お母さんの作ったのよりうまいぞ」

どうやら、母はゴーヤにやたら火を通す上に、
醤油で味をつけるので、ゴーヤが真黒になって
しまうんだそうだ。

父から合格をいただいたので、私の宿題は
これにておしまい。
もうこれ以上、レパートリーもなかったので、
ギリギリ及第点をもらったわけだ。

でも、ご飯はやっぱり人に作ってもらったほうがうまい。

北海道旅行記最終回~妹たちの巻~

親戚のおばちゃんは、どうしても私たち3人の
名前を一発で当てることができないようだ。

が行けば、真ん中の妹の名前を呼んで、
真ん中の妹が行けば、下の妹の名前を呼んで、
下の妹が行くと、今度はなぜかいとこの名前を呼ぶ。

ちなみに、いとこの子供のことは、犬の名前で
呼ぶこともあるみたいだから、そもそも正気では
ないのかもしれないが、でも、間違っても仕方ない
くらい、顔は似ているようだ。

しかし、顔とは違い、性格はまるで違う

優等生だけど、つまらない、姉
家庭的で、ひょうきんな、真ん中の妹。
マイペースで、夢見がちな、下の妹

それでも、3人揃うと、バランスはとれるのだ。
真ん中の妹を姉とは思っていない下の妹が
真ん中の妹に喧嘩を挑み、私が下の妹の
ご機嫌をとる
、っていうバランス。

でも、今回は下の妹はお仕事のため、旅行は欠席。

そうすると、バランスは一気に崩れ、
真ん中の妹のひょうきんな感じが
鼻につくのだ。

そんなストレスの溜まりきった私は、
ホテルでの最後の夜を満喫していたわけだが。

妹は、またしてもホテルのお土産屋さんを物色
している。

思い起こせば、この妹は、旅行の初日から、
ずーっとお土産を物色している。

高速のSAでもお土産、
旭山動物園でもお土産、
テレビ塔でもお土産。

特に何がほしいというわけじゃないらしい。
とにかく、お土産屋さんで物色する、という
ことに満足感を覚えているようなのだ。

これが、姉としてはとてもムカつく

早く移動したい時もお土産、
もう少しじっくり見たい時もお土産、
ラーメン食べたい時もお土産。

そして、妹は無邪気に言うわけだ。
「お姉ちゃん、ご機嫌
斜めだねー」

誰のせいだと思ってるんだ。
お前のお土産中毒のせいだろう。

それに、私が唯一ほしいお土産であった、
じゃがぽっくるは売り切れだったし。

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あーあ、じゃがぽっくる、どこにあるんだろう。。。
と思い続けてはや最終日。
気づけば、帰りの空港で東京行のチケットを
発行してもらっていたりして。

チケットももらって、出発まではまだ2時間もある。
妹は、後ろに広がるお土産屋さんにわくわくドキドキ
そんな妹に、私はげんなり。

げんなりしながら、広大な敷地を占めるお土産屋さんを
見回す私。

ちょうど、その時である。
お土産屋さんゾーンの入口にあるお土産屋さんに、
段ボールがどかりと置かれて

おばちゃんが段ボールをぱかりと開くと

そこには、大量のじゃがぽっくる!

あまりにも突然のことに、口あんぐりの私。
群がる群衆。

やっべぇ。
早く取りにいかないと、購入できないではないか。

ねぇ、じゃがぽっくるって、何?
と困惑気味の家族を無理やり総動員して、
一人2個までのじゃがぽっくるを買いあさる。

そうして、やっとお目当てのお土産を手に入れた
私に、妹は無邪気に言い放った。

「お姉ちゃんはじゃがぽっくるのこと
ばっかりだねー」

よりによって。
よりによって、お土産騒動の当の本人である
妹の口から、そんなこと言われるだなんて。

あまりにショッキングな出来事にあいた口が
ふさがらない私のことなんてお構いなしに、
妹は最後のお土産購入のため、お土産屋さんに
飛び込んで行くのだった。

そうしてムカついたまま、気づけば東京駅。

そして、そこには、本日仕事お休みの、
もう一人の妹が待っていた。

年の近い真ん中の妹のことは、姉とも思わず、
軽蔑している下の妹であるが、その上の私の
ことは、ちゃんと姉だと思ってくれているようで、
だから、下の妹はいつだって、私の味方だ。

そんな下の妹に、私はやっと、ちゃんとした
愚痴をこぼすのだ。
長野組と別れて、二人で帰る、丸ノ内線の中で。

あ。そうだ。
お姉ちゃんだけ旅行行っちゃって悪かったので、
今日は夕飯おごってあげようね。

というわけで、自宅近くのファミレスで妹にご飯を
おごってあげたところで、北海道旅行終了。

終始土砂降りかつイライラしていた旅行であったが、
ちょっとは家族の絆、深まっただろうか。

2008年8月 2日 (土)

北海道家族旅行記(3)~母の巻~

母は、世間知らずだ
生まれてこの方、県外で暮らしたことも、ひとりで
暮らしたこともない、世間知らずだ。

知っているのは、家のことと、近所のことと、
銀行のことだけ。

そんな母は、私が上京するときに、ひとつだけ
条件を出した。

いや、別に、
「いい大学に行きなさい」とか
「どの学部に行きなさい」とか、
そういう大きなことはひとつも言わなかった。
(私の入った大学の名前もよく知らなかったくらいだし)

ただ、ひとつだけ、こだわりがあった。
「電車の乗換えがない大学にしなさい」と。
東京の電車の乗り換えは大変で、乗換えで迷っている
うちに授業にでも遅れたら困ると思ったらしい。

ま、そのくらい、母は世間知らずで、だから、
都会に対して恐怖と憧れがあるのだった。

そんな母の知り合いであるおばちゃんの家の
息子さんが、札幌にある某有名国立大学
行っているらしく、その大学と、札幌という土地に
ついて、なんだかすごく自慢されたようなのだ。

何しろ大学の偏差値に興味のない母親は、
札幌の大学、と聞き、
「どうして、そんな田舎の大学選んだんだろう」
疑問を漏らしていた。

「いや、お母さん、その大学行く人はすごく頭の
いい人なんだよ。」

「でも、頭いいなら、そんなわざわざ寒いところ
行かなくても、東京に行けばいいのに」

さて、旅行のほうは、旭山動物園でて、旭川で
ラーメン食べて、札幌に着いたのはその日の夕方。

郊外の異常に豪勢なホテルにチェックインし、
シャトルバスに乗って札幌の街中に出る。

外は、相変わらずの雨。

寿司食べて、すすきののバス乗り場を探して
徘徊。

道に迷って若干喧嘩気味の私と妹をよそに、
母はなんだか機嫌よかった。

「すごいねー、札幌って都会なんだねー」

どうやら、札幌というところについて、母は
勘違いをしていたらしい。
なんか、もっとこう、草原の中の一軒家的な、
北の国から的な、そういうものを想像していたらしい。

そんな興奮のためか、母親は機嫌よく、
飲み屋のお誘いにやってくる店員さんたちに、
「ごめんねー、もう今日はお寿司食べちゃったのよー
ホテルのシャトルバスも次が最終だしねー」

と、一軒一軒、一生懸命お断りをしているのだった。

やめてよお母さん、相手したらだめなんだってそういうのは。
目を合わせずに通り過ぎないと、勧誘に負けちゃうって。
なんて世間知らずな。

でも、次の日の小樽はあまり母親のお気に
召さなかったらしい。

海沿いの倉庫街の端っこに車止めて、
町の中心部に向かって歩いていく。

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都会暮らしで田舎が珍しい私と、
歴史的建造物に興味のある父は、
ご機嫌で街中を徘徊。
考えれば、旅行の中で雨が降らなかったのは
小樽だけだったし。

しかし、母と妹はご機嫌斜め。
「なんか、田舎じゃない?人が全然いないよ」
「さびしいところだねー。なんか陰気だよ。」

田舎者にとって、田舎の風景はなんとも淋しく
感じられるらしい。

最後に母は言った。
「こんな人のいないところじゃなくて、早く
札幌に行こう」

・・・分かった、分かりましたよ。

そうして到着したテレビ塔の展望台。
厚い雲に覆われて、あまり景色がいいとは
言えない90mの高さから札幌の街を見下ろした
母は、またも感嘆の声をあげるのだった。

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「大きなビルがたくさんあるねぇ。都会なんだねぇ。
お母さん、こんなに都会だと思わなかったよ。
ほんとうにすごいねぇ。」

母はやっと、知り合いのおばちゃんの息子さんが、
北海道の大学に来た意味がわかったようであった。

そんな世間知らずの母は、でもどこか、かわいらしい。
と思えるようになったってことは、私もオトナに
なったってことかな。

さて、また雨も降ってきたし、今日は豪勢なホテル
ライフを満喫しようか。

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